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「自動巻き時計」は「何もしなくても動く時計」ではありません

2015年3月24日 公開 / 2015年3月30日更新

テーマ:時計の取り扱い方

コラムカテゴリ:くらし

ミナセ・ヒズ

自動巻き時計は「何もしなくても動く」は間違いです

自動巻き式時計」は何もしなくて良いと思っていらっしゃるユーザー様が意外と多いようです。
「自動車」に運転手が必要なように
「自動巻き式時計」にもユーザー様の「腕の振り」が必要になります。
自動巻き時計は「腕の振り」あるいは「時計を動かす」ことによって
ローター(回転錘)が動きゼンマイを巻き上げるように作られていますが
巻き上がったゼンマイが自然にほどけていくのを補うように
補助的にゼンマイを巻き上げていきます。
止まった状態からそのまま使用したり、時計を少し振っただけでは
ゼンマイが充分に巻き上がらず、本来の精度を保つことが出来ません。

デスクワークが一日の大半を占める等
お客様の生活習慣により腕の運動量の少ない方では
ゼンマイの巻き上がりが不足となり、止まりや遅れの原因となる場合があります。

自動巻き時計でも手巻きをする

1日に10時間以上携帯しない場合や
デスクワークが中心であまり歩かない方は
毎日同じくらいの時間帯に手でリューズを40回から50回程度巻き上げることをお勧めします。
(リュウズ1回転は360度回転することを意味します)
この際 防水時計に使用されているネジ込み式のリュウズの場合は
ネジをしっかり元の状態に戻すことを忘れないようご注意ください。

リュウズの回し方

ゼンマイを巻くにはリューズを右方向(12時方向)にゆっくり回してください。
左方向(6時方向)ではゼンマイは巻き上がりません。

まれに 手巻き機能と併用されていない自動巻き式のみの時計の場合は
時計をしっかりと手に持ち、振り幅10cm程度、1秒あたり2往復で
10分程度振ってから腕に携帯してください。

毎日 ゼンマイを巻き上げ 時間を合わせることによって
機械式時計はユーザーさまと同じ時を刻んでいくことになります 

この記事を書いたプロ

衞藤憲太郎

時計修理、修復とビフォーケアのプロ

衞藤憲太郎(株式会社ハナブサ)

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