生成AIの進化が問う「人間らしさ」

最近、私自身がよく使っている言葉があります。
「AIに聞いてみよう。」
仕事で分からないことがあったとき。
文章を考えるとき。
アイデアが浮かばないとき。
パソコンの操作で困ったとき。
今では、生成AIに聞くことが日常になっています。
本当に便利です。
しかし最近、ふと気づきました。
何か分からないことがあると、
「自分で考える前にAIを開いている」
ことがあるのです。
そこで今回は、
「AIに聞けばいい」が口癖になる前に、一度考えてみたいと思います。
「分からない」が怖くなくなった
生成AIが登場して、とても良くなったことがあります。
それは、
「分からないことを、そのままにしなくてよくなった」
ことです。
例えば私は65歳になった今でも、新しいことに挑戦しています。
生成AI。
パソコン。
英会話。
新しい仕事。
分からないことは次々に出てきます。
以前なら、本を探したり、インターネットで検索したり、詳しい人に聞いたりしていました。
今はAIがあります。
「これはどういう意味?」
「初心者にも分かるように説明して」
そう聞けば、すぐに教えてくれます。
これは素晴らしいことだと思います。
でも、少しだけ気になる
一方で、こんな場面が増えていないでしょうか。
「分からない。」
↓
「AIに聞こう。」
この間が、ほとんどなくなっているのです。
以前なら、
「どういうことだろう?」
「自分ならどうするだろう?」
「もしかすると、こういうことかな?」
と少し考えていました。
ところがAIなら、数秒で答えてくれます。
するといつの間にか、
「考えてから聞く」から「まず聞く」
へ変わってしまいます。
便利なのですが、私はここに少し注意が必要だと思っています。
検索とAIは少し違う
インターネット検索の場合、
検索結果から自分で情報を探します。
いくつかのサイトを読み、
比較し、
「これは信頼できそうだ」
と判断します。
ところが生成AIは違います。
質問すると、
きれいに整理された一つの答えを返してくれます。
だからこそ、
その答えをそのまま受け入れやすい。
ここが便利さであると同時に、怖さでもあります。
AIが考えた答えなのに、
いつの間にか、
「自分が考えた答え」のような感覚になってしまう。
私はそこを意識する必要があると思っています。
私自身も気をつけています
これは決して、
「AIを使わない方がいい」
という話ではありません。
私は今日もAIを使っています。
おそらく明日も使います(笑)。
むしろ、これからもっと使うでしょう。
だからこそ、
最近は一つ意識していることがあります。
AIを開く前に、
「私はどう思う?」
と自分自身に聞いてみることです。
立派な答えでなくても構いません。
間違っていてもいい。
まず自分の考えを持つ。
そのあとAIに聞く。
すると、
自分の考えとAIの答えを比較できます。
AIと「答え合わせ」をする
例えば仕事で新しいアイデアを思いついたとします。
以前なら、
「このアイデアどう思う?」
とすぐAIに聞いていました。
今なら、
まず自分で、
「この方法なら、こういうメリットがある。でも、ここが問題になるかもしれない」
と考えてみる。
そのうえでAIに、
「私はこう考えています。反対意見も含めて検討してください」
と聞く。
こうすると、
AIは単なる「答えを教えてくれる存在」ではなく、
自分の考えを深めてくれる相手
になります。
私はこの違いがとても大きいと思っています。
子どもたちにも関係する問題
これは大人だけの問題ではありません。
これから生成AIを使う子どもたちにとっては、もっと重要な問題になると思います。
宿題が分からない。
「AIに聞けばいい。」
作文が書けない。
「AIに書いてもらえばいい。」
そうなってしまったら、
答えは完成するかもしれません。
でも、
その過程で本来経験するはずだった、
考える。
悩む。
間違える。
やり直す。
という学びが減ってしまいます。
AIを使わせないのではなく、
「どこまで自分で考えて、どこからAIを使うのか」
を教えることが、これからの教育では重要になるのではないでしょうか。
「分からない時間」も悪くない
私たちは、
分からない状態を早く解消しようとします。
でも最近、
私はこう思うようになりました。
分からない時間も、決して無駄ではない。
「なぜだろう?」
「どうしたらいいだろう?」
そう考えている時間に、
人間の思考力は鍛えられるのかもしれません。
AIが数秒で答えを出してくれる時代だからこそ、
あえて数分、自分で考えてみる。
そんな小さな習慣を大切にしたいと思っています。
Today's English Phrase
"Think first, then ask."
(まず考えて、それから聞こう。)
今回のテーマそのものです。
AIに聞くことが悪いわけではありません。
大切なのは順番です。
Think first.
まず自分で考える。
Then ask.
そのあとAIに聞く。
たったこれだけでも、AIとの付き合い方は大きく変わるのではないでしょうか。
最後に
「AIに聞けばいい。」
私はこの言葉そのものは悪くないと思っています。
分からないことをすぐ学べる。
新しいことへ挑戦できる。
自分一人では思いつかなかった考えに出会える。
生成AIには素晴らしい可能性があります。
だからこそ、
「AIに聞けばいい」の前に、「自分はどう思う?」を一つ加える。
それだけは忘れたくありません。
AIに聞く。
AIと考える。
でも、
AIに考えることそのものを預けない。
便利なAI時代だからこそ、
自分の頭で考える時間を意識して残していく。
それが、
AIに「依存する人」とAIを「活用する人」を分ける、一つの境界線なのかもしれません。
次回は、
【第15回】AIを使わない時間を、あえて作ってみる
について考えてみたいと思います。
■ すべてのコラムはこちら
https://mbp-japan.com/fukuoka/cncconsultingpro/service1/
■ 株式会社CNCコンサルティング 公式サイト
https://cncconsulting.pro/


