【第2回】学ぶとは何か

佐々木康仁

佐々木康仁

テーマ:教育・ICT教育


「学ぶ」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

学校で授業を受けること。
教科書を読むこと。
試験のために勉強すること。

もちろん、それらも学びです。

しかし、65歳になった今、私は「学ぶ」ということは、もっと広く、もっと人生そのものに近いものではないかと思うようになりました。

学ぶことと覚えることは違う

子どもの頃の私は、勉強が得意ではありませんでした。

覚えなければならない。

テストで良い点を取らなければならない。

そんな意識が強く、「勉強=覚えること」になっていたように思います。

しかし社会に出て、様々な仕事を経験する中で、その考え方は変わっていきました。

例えば仕事で失敗したとします。

「失敗した」で終われば、それは単なる失敗です。

しかし、

「なぜ失敗したのだろう」
「次はどうすればいいのだろう」

と考えれば、その失敗は「学び」に変わります。

つまり学ぶとは、単に知識を増やすことではなく、

経験から何かをつかみ、自分自身を変えていくこと

なのではないでしょうか。

人は誰かからだけ学ぶのではない

学校では先生から学びます。
仕事では上司や先輩から学びます。

しかし、学びの相手はそれだけではありません。

私は店長をしていた頃、スタッフを指導する立場でした。

当然、自分がスタッフに教えているつもりでした。

ところが振り返ってみると、私の方がスタッフから教えられたこともたくさんありました。

「こんな考え方もあるのか」
「この伝え方では伝わらないのか」
「自分の常識が相手の常識とは限らない」

人を教えることで、自分自身が学んでいたのです。

これは学校でも同じだと思います。

先生が子どもに教えるだけではなく、先生が子どもから気づかされることもある。

学びとは、一方通行ではないのです。

ICTは「学び方」を変えた

私が学校現場に関わっていた頃、ICTによって子どもたちの学び方が変わっていく姿を見てきました。

分からないことを自分で調べる。
写真や動画を使って表現する。
友達と考えを共有する。
自分の意見を発表する。

教科書とノートだけだった学びに、新しい選択肢が加わりました。

しかし、ここで大切なのは、

ICTを使うこと自体が学びではない

ということです。

タブレットを使ったから良い授業になるわけではありません。

ICTはあくまでも道具です。

その道具を使って、

何を知りたいのか。
何を考えるのか。
何を伝えたいのか。

そこに学びの本質があると思います。

そして生成AIが登場した

今、その学び方をさらに大きく変えようとしているのが生成AIです。

分からないことを質問すれば説明してくれます。
難しい文章を分かりやすくしてくれます。
自分とは違う考え方を提示してもらうこともできます。

使い方次第では、AIは素晴らしい「学びのパートナー」になります。

一方で、AIが出した答えをそのまま使うだけなら、そこにどれだけの学びがあるでしょうか。

私は生成AIを使うようになって、むしろ、

「答えを得ること」と「学ぶこと」は違う

と強く感じるようになりました。

AIに聞いて終わるのではなく、

「なぜ?」
「本当にそうなのか?」
「自分はどう考えるのか?」

と、もう一歩踏み込む。

AI時代には、この姿勢がこれまで以上に重要になるのではないでしょうか。

65歳の私も、まだ学んでいる途中

私は今でも新しいことを学んでいます。

生成AIを学ぶ。
英語を学ぶ。
仕事を通して新しい知識を身につける。
そして、人との出会いから学ぶ。

分からないことは、まだまだたくさんあります。

でも最近は、それを恥ずかしいとは思わなくなりました。

むしろ、

「知らないことがあるから、まだ学べる」

と思えるようになりました。

子どもだけが学ぶのではありません。

先生も学ぶ。
親も学ぶ。
社会人も学ぶ。

そして65歳になっても、70歳になっても、80歳になっても、人は学ぶことができます。

学ぶとは、自分の世界を広げること

第1回では「教育とは何か」について考えました。

今回は「学ぶとは何か」を考えてみました。

今の私が一つ答えを出すとすれば、

学ぶとは、自分の知らなかった世界に出会い、自分自身を少しずつ変えていくこと。

なのだと思います。

テストの点数だけが学びではありません。

資格を取ることだけが学びでもありません。

昨日まで知らなかったことを知る。
できなかったことが少しできるようになる。
違う考え方を知る。
そして、自分なりに考えてみる。

その一つ一つが「学び」です。

だからこそ、学びに終わりはありません。

人生そのものが、大きな学びの場なのかもしれません。

次回は、


【第3回】「教える」とは何か

について考えてみたいと思います。

Today's English Phrase


Never stop learning.
(学ぶことをやめない。)

学び続ける限り、人は何歳からでも新しい一歩を踏み出せるのではないでしょうか。


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佐々木康仁(ITコンサルタント)

株式会社CNCコンサルティング

対面と非対面を組み合わせた独自のマーケティング手法、ChatGPTを活用するための基礎的な講習、小学校などでのICT教育支援を事業の柱とする。数々の職業を経験し“現場感覚”でサポートできるのが強み。

佐々木康仁プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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