香りの力 Part2:日常に香るポジティブな変化
買う前が一番ワクワクする理由
買う前が一番ワクワクして、
買った途端に熱が冷める
誰もが一度は経験したことのあるこの現象。
実はただの飽き性ではなく、脳の仕組みによって起きています。
私はこれを “未来前借りバグ” と呼んでいます。
この記事では、
なぜ人は“買う前に全力でワクワクするのか”
そして、その後なぜ急に熱が下がるのか?
脳科学と心理の視点からわかりやすく解説します。
買う前はなぜワクワクする?
──脳内では「成功した未来」を先取りしている
たとえば、新しいノート、収納グッズ、ダイエット器具、便利アイテム……
こうしたものを買う前、人は必ず“理想の未来”を想像します。
これで部屋が片づく
明日からちゃんと運動できそう
私、今度こそ変われるかも
この“未来予想図”が頭に浮かんだ瞬間、脳はドーパミンを分泌。
ドーパミンは「やる気」「期待」「報酬予測」と深く関わる物質。
これが一気に放出されることで、まるで人生が変わる手応えを感じるのです。
つまり──
買う前の時点で脳は“成功した未来”をすでに体験済み。
だからこそ、購入前が最高潮になるのです。
買った後に熱が冷める理由
買ったらおしまい。
ワクワク感の刺激がなくなるから。
商品が手元に届いた瞬間は確かに嬉しい。
ですが、それは“脳のピーク”ではありません。
ドーパミンのピークは 「買う前」 に訪れています。
そのため、手元に届いた瞬間は「ゴール」に近く、
脳にとっては新しい刺激が少ない状態。
数日後には…
ノートは白紙のまま
収納グッズは放置
ダイエット器具は部屋の隅へ…
これは、あなたが飽きっぽいわけでも、意思が弱いわけでもありません。
脳の構造上、こうなって当たり前なのです。
この現象は悪いものではない
「じゃあ意味のない衝動買いじゃないか」と思うかもしれません。
ですが、未来に希望を抱くことは、人間にとって大きな推進力です。
たとえ少し空回りしても、
「変わりたい」「よくなりたい」
という気持ちそのもの。
見方を変えると、あなたの成長エネルギー。
大事なことは、自分を責めないこと。
飽き性なんじゃないか
また無駄なことをした…
などと、感じる必要はありません。
むしろ、
“脳にはそういう仕組みがある”と理解し、
買い物に振り回されにくくなる調整を図ること。
上手に付き合うコツ──“期待だけで終わらせない”仕組みを作る
未来前借りバグを味方にするためには、次のような工夫が効果的です。
① “小さな行動”を買う前に決める
→ ノートなら「1行だけ書く」
→ ダイエット器具なら「5回だけ使う」
「最初の一歩のハードル」を低くしておくと、買った後の失速を防げます。
② “理想の未来”と“現実の行動”をセットにする
ワクワクはとても大事なエネルギーです。
しかし現実に変化が起きるのは、行動して初めて。
買う前のワクワクを“行動の起爆剤”に使いましょう。
③「自分は弱い」ではなく「脳の仕様」と理解する
仕組みを知るだけで、無駄な自己嫌悪が消えます。
自分に矢印を向けてダメ出しをすることは避けましょう。
まとめ:今日もまたひとつ、人間らしいバグが見つかった
買う前のワクワクが最高なのは、
意志の弱さではなく 脳の特性 のおかげです。
未来を見る力
希望を感じる力
明日を良くしようとする力
これらは、私たちが前に進むための大切な機能でもあります。
どうか、
「またやっちゃった…」と自分を責めないでください。
そのワクワクこそ、あなたが前向きに生きている証拠です。




