9月に入る負のスイッチ:自意識過剰と被害妄想の境界線

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:心のあり方のヒント

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まだ何も言われてないのに勝手に傷つく

予測と防衛が暴走すると、心は先に傷つくんです。

「きっと、あの人はこう思ってる」
「また迷惑かけたって思われてるかも」

そんなふうに、まだ何も言われていないのに、
自分の中ではすでに“傷ついた後”の感情が動いていることってありませんか?

それこそが自意識過剰の状態。
心が先回りして、予測と防衛を繰り返しているんです。

誰も何も言っていないのに、
自分の中だけで、独りよがりに勝手に反応してしまう。

今月もTOPを占めるSNSで起こる自意識過剰

産業カウンセリングで一番多いのはSNSの返信。
これは9月だけに限らずTOPを占めるお悩みです。

「Chatworkの返信が遅いと、すごく不安になるんです」
「LINEの会話の語尾が気になって、攻撃されているように感じるんです。」

と話してくださいました。

「怒ってるのかな?」
「何かまずいこと言ったかな?」
「上から目線になってたかな?」

相手の反応がないだけで、
自分の中ではすでに“責められているかもしれない”という感情が動いている。

ですが、実際のところ相手はただ忙しかっただけのことが多い。
返信が来たときには、何事もなかったように普通のやり取りが続いていた。
それなのに、自分の中ではすでに“謝る準備”までできていたという。

自意識過剰と被害妄想の違い

ここで、ちょっとお話するのは自意識過剰と被害妄想の違い。
二つの内容を文章化すると同じようなのですがちょっと違います。

自意識過剰

まだ起きていない評価や印象に対する予測。
「自分がどう見られているか」に過敏になっている状態。

被害妄想

すでにある敵意や悪意を“確信”してしまう反応。
「相手がどう仕掛けてきているか」に過敏になっている状態。

境界線はとても繊細

つまり、自意識過剰は「かもしれない」の世界。
被害妄想は「きっとそうだ」の世界。

この境界線はとても繊細。
心が疲れていたり、余裕がないときほど、
「かもしれない」が「きっとそうだ」に変わってしまうことがあります。

このことを自分事として捉えてみてください。
「聞いてもいないのに決めつけないでよ」と言いたくなりませんか?

だからこそ、あなたは相手に聞いてみてくださいね。
自分がされたら嫌なことを相手にしてはいけませんよ。

まとめ

自意識過剰は、心の中の“予測過剰”。
誰も気にしていないことに、勝手に傷ついてしまう。
でもそれは、責任感や優しさの裏返しでもあります。

もし今、「誰かにどう思われてるか」が気になっているなら、
それは “まだ起きていないこと” かもしれません。
そして、誰もそんなふうには思っていないかもしれません。

「かもしれない」と「きっとそうだ」の間に、
ほんの少し客観的な自分を持たせてみる。

それだけで、心の誤作動が静まります。
静まらないときは、産業カウンセリングを受けてみてくださいね。
あなたのメンタルにとって大事なことです。

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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