40代女性にありがち:キャリアの方向性に悩んでいませんか?
そのひと言は相手にどう届いていますか?
この業務、お願いできますか?
今日の資料、仕上がっていますか?
日々交わされる何気ない言葉。
ですが、その響き方ひとつで、受け手の気持ちや場の空気が大きく揺れることがあります。
“言葉の中身”よりも、“どう置かれているか”…。
そのニュアンスこそが、職場の温度や人間関係を形づくっていくもの。
そんな視点から、私は「伝えることの余白」について、改めて考えています。
1. 伝え方の違いが、人間関係の温度を左右する
職場での言い回しは、一見ささいに思えても、影響力は大きいものです。
ちょっとお願いできますか?
〇〇してくれると助かる。
〇〇さんなら安心です。
どれも内容は似ていても、声のトーンや文脈によって、受け取り方はまるで違います。
気持ちの余白があるかどうか。
それが協力や信頼につながるか。
摩擦や距離になるかを決定づけるのです。
2. 言葉には“安心の余白”が必要
産業カウンセラーの立場から言えば、
「どう言われたか」より「どう感じたか」が、人の心に深く残ります。
言葉に余白があることで、人は自分で動ける余地を持つ。
その余地は、選択の自由であり、関係性の柔らかさでもあります。
たとえば——
〇〇してください → 圧や義務の印象
〇〇していただけると嬉しいです → 信頼とゆだね
どうしましょうか? → 対話への誘い
…ただし、すべての人がその余白を受け止めるわけではありません。
丁寧に言葉を選んでたとしても、
不満だけはしっかり受け止める
という方もいます。
こちらが意図を込めても、その文言だけを切り取り、
その言い方が気に食わない
と述べる声も。
まるで、自分に届くまでの“余白”を一切受け取らずに、ただ言葉のラベルを見て選別しているような光景です。
それでも私は、“余白を添えて伝える”選択をやめません。
なぜなら、それを受け止められる人との対話には、静かな信頼が生まれるからです。
3. 伝え方は、文化を育てる土壌
言い回しのクセや雰囲気は、個人の特徴であると同時に、組織文化の反映でもあります。
- 丁寧すぎると遠慮が生まれる
- 強めの言い方が“普通”になる
- 思いやりのつもりが“押しつけ”になる
こうした「言葉の習慣」は職場の空気をじわじわ染め上げます。
だからこそ、言葉の置き方に気を配ること。
そのことが、職場文化の土を耕すことにつながるものだなぁと感じています。
まとめ:言葉に心の距離を整える力を育む
伝え方は、ただの技術ではなく、関係性を編む繊維のようなもの。
業務を進めるための言葉であっても、その背景にある想いは、受け手に伝わります。
時には、丁寧に伝えたつもりの言葉が疎まれることもある。
ですが、ひるむことなく選び続ける。
そのことで、じんわりと信頼は築かれていく。
言葉に余白を添えることは、“関係を大切にする意志の表現”。
その意志を大切にしたいから、今日も私は伝え方に時間をかけます。
たとえ、誰かがその余白を見ず、文句だけを選んでいたとしても。
次回は、
Vol.4|ことばが触れる場所:感情の通訳としての表現を考える。
感情を言葉にしたとき、何が届き、何がこぼれるのか。
表しきれなさの中にある、優しさや誤解の余地について、静かに向き合ってみたいと思います。




