学校の枠を超えた学び:社会課題を解決する教育の新潮流

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:心のあり方のヒント

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学びが社会を動かす

何かを学ぶとき、その知識が誰かの役に立つとは思わないことが多いもの。
大抵は、自己満足や不安解消のために始めることの方が多いのではないでしょうか?

教科書の中の情報は試験のための暗記。
ですが、学びはもっと大きな力を持っています。

例えば、とある商店街の活性化プロジェクト。
学生たちが地域の課題を見つめ、新しいアイデアを形にしていったことで、街の賑わいが戻り、人々が集う場所が生まれました。

知識がただの情報ではなく、社会に変化を生み出す力になる瞬間。

そんな事例をいくつか紹介しながら、「私たちの学びをどう活かせるか?」を考えてみたい。

1. 地域商店街の活性化を目指した学生プロジェクト

商店街の活性化に学生が関わることで、地域の魅力を再発見し、街の賑わいを取り戻す取り組みが広がっています。

例えば、東京都品川区の 戸越銀座商店街 では、立正大学の学生と連携し、「コロッケのまちづくり」を進めている。

学生たちは商店街の新名物「戸越銀座コロッケ」を企画し、パッケージデザインや販売戦略を考え、地域の人々と協力しながら商店街の活性化に貢献。

また、京都文教大学の 「商店街活性化隊 CanVas」 では、学生が商店街の店主と協力し、イベントや情報発信を通じて地域の魅力を広める活動を行っている。

こうした取り組みは、学生にとって実践的な学びの場となり、地域にとっても新しい活力を生み出すきっかけとなっています。

2. 空き家問題の解決に挑む探究学習

日本各地で深刻化する空き家問題に対し、学生が探究学習を通じて解決策を考えるプロジェクトが増えています。

例えば、ある高校では 「空き家を活用した地域活性化プロジェクト」 を実施。
生徒たちは地域の空き家を調査し、古民家をリノベーションして交流スペースを作るアイデアを提案。

地域の不動産会社と連携し、実際に改装作業から運営まで手がけた事例があります。
また、探究学習の一環として、空き家問題をテーマにした授業を半年間実施した高校も。

生徒たちはフィールドワークを通じて地域の課題を学び、行政への提案を行うなど、実際の社会課題に向き合う経験を積んでいます。

こうした取り組みは、学びを「知識の習得」だけで終わらせないことが大事。
実際の社会課題に結びつけることで、より深い理解と実践力を育むことができる取り組みになっています。

3. 世界の教育×社会貢献の最新トレンド

世界では、学びを社会貢献につなげる新しい教育モデルが次々と誕生。

STEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学)

これまでのSTEM教育に「アート」を加えたSTEAM教育が注目。
技術や工学、数学を活用しながら、創造的なアプローチで社会課題を解決する力を育む教育モデル。

STEAM教育ってなに?

STEAM教育は、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Arts)、数学(Mathematics) の5つを組み合わせた教育アプローチのこと。

もともとはSTEM(科学・技術・工学・数学)として発展してきたけれど、 創造性や表現力を育むために「Arts(芸術・リベラルアーツ)」が加えられた。

これにより、技術や科学の知識を単独で学ぶだけでなく、デザインやアートと組み合わせることで、 より実践的な課題解決能力が身につくとされています。

例えば、プログラミングを使ってアート作品を制作したり、環境問題をテーマにした探究学習を行うなど、知識と社会課題を結びつけた学びを実践。

MOOC(大規模公開オンライン講義)

世界の名門大学の講義を無料で受講できるMOOCの拡大。
誰でも知識を得て社会貢献に活かせる環境が整ってきています。

MOOCってなに

MOOC(Massive Open Online Course)は、大学や教育機関が提供する 大規模公開オンライン講座。

インターネットを通じて、誰でも無料または低価格で受講できるのが特徴。
例えば、ハーバード大学やMITなどの名門大学が提供する講座を、自宅にいながら受講できる。

講義動画や教材がオンラインで公開されていて、課題提出やテストを受けることで修了証を取得できる場合もあるようです。

代表的なMOOCプラットフォームには以下

  • Coursera(コーセラ)— 世界中の大学と提携し、多様な講座を提供
  • edX(エデックス)— ハーバード大学やMITが共同設立した非営利の教育プラットフォーム
  • Udacity(ユーダシティ)— ITやビジネス分野に特化したオンライン講座
  • JMOOC(日本版MOOC)— 日本の大学が提供するオンライン講座


アクティブ・ラーニングと探究型学習

受動的な学びではなく、実際の社会課題をテーマにした探究型学習が世界的に拡大。
例えば、地域の環境問題を解決するプロジェクトや、国際協力活動を通じた学びが注目されています。

アクティブ・ラーニングってなに?

アクティブ・ラーニングは、 生徒が能動的に学ぶことを重視した教育方法 のこと。
従来の講義型授業とは異なり、グループワークやディスカッション、ディベートなどを通じて、 自ら考え、意見を交わしながら学ぶ ことを目的としています。

例えば——

  • グループディスカッション:生徒同士が意見を交換しながら学びを深める
  • プロジェクト型学習:実際の課題を解決するためにチームで取り組む
  • プレゼンテーション:学んだことを発表し、他者からフィードバックを受ける

この学習方法は、 「主体的・対話的で深い学び」 を促進し、知識の定着だけでなく、問題解決能力やコミュニケーション力を育むことができると推奨されています。

探究型学習ってなに?

探究型学習は、 生徒が自ら課題を設定し、情報を収集・分析しながら答えを導き出す学習方法のこと。

アクティブ・ラーニングの発展形ともいわれ、 「自分にとって意味のある課題」を見つけ、それを解決する力を育む ことを目的としています。

探究型学習のプロセスは以下のような流れ

  • 課題の設定:自分が興味を持つテーマを決める
  • 情報の収集:資料やデータを集め、調査を行う
  • 整理・分析:集めた情報を整理し、考察を深める
  • まとめ・表現:レポートやプレゼンテーションを通じて発表する


例えば、 地域の空き家問題を解決するプロジェクト では、生徒たちが実際にフィールドワークを行い、地域の人々と協力しながら解決策を提案する活動が行われています。

このような学びを通じて、
「知識を社会に活かす力」 を育むことができることが魅力。

学びが生み出す未来への一歩

今回紹介したようなプロジェクトは、どれも 「学びを社会に活かす」 という視点から誕生。
知識をただ蓄えるのではなく、実践し、地域や人々と関わることで 新しい価値を生み出すことができるのです。

大きなことをしなくてもいい。

この街をもっと元気にしたい
この問題、解決できるんじゃない?


そんな小さな気づきから、学びは社会を動かす力になるもの。

あなたの学びが、誰かの役に立つ未来をつくるとしたら?
今日の小さなアイデアが、明日の大きな変化へとつながるかもしれない。

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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