パワハラの定義と立場上の考え
チホズスタジオ
産業カウンセラーの鎌田千穂です。
福岡市でオンラインや訪問を中心としています。
事業内容は産業カウンセリング及びコンサルティングサービスです。
チホズ文字分析による、人材分析及び提案も行っています。
さて、認知の歪みという心理的用語で表されるものには色々な言葉で語られます。
今日は、被害妄想というお話について。
被害妄想とは、自分が他人から攻撃されたり、不当に扱われたりしていると感じる認知の歪み。
誰しも少なからず被害妄想になる瞬間があります。
それが過度になると、自己評価や人間関係に悪影響を及ぼすことがあります。
産業カウンセリングでお伺いする内容にも、この被害妄想というものがとにかく多い。
相手の真意からズレた捉え方で状況判断をしがちなのです。
そのことから「私は正しい、相手は間違っている。私の考え方に是正しなければ。」という戦いを始めます。
視点を変えると、「相手が変われば良い=自分は変わらなくていい」という傲慢でかつ攻撃的な気持ちで相手に制裁を加えようと考えはじめる。
このように書くと、「えぇ!?怖っっ!!」となりませんか?
ですが、とにかく多いんですよ。
自分の価値観と経験が全て。
ですから、正当性を主張して相手を嫌悪するのも自分の都合が最優先です。
とはいえ、こういった目線が必要な人ほどこそ自分に向き合う事が無いのも事実。
それは、自分の信じている世界だけを普通だと信じていることで、その事自体を疑う意識が向かないからではないでしょうか。
「私は大丈夫かなぁ」と考えている方ほどこそ、苦悩することで自己研鑽がお上手でもあります。
では、被害妄想の原因や影響、そして対策について見ていきましょう。
被害妄想って実はなに?
被害妄想とは、自分が他人から攻撃されたり、不当に扱われたりしていると感じる状態。
まるで、自分が常に誰かに狙われているかのように感じ、他人の行動や言動に対して過剰に敏感になります。
こういった方の多くは、日々同じことの繰り返し、新しい刺激がない生活が中心の方に多く見られます。
皆さんはどうですか?
朝起きる時間、ご飯を食べる時間、出かける時間がいつも同じ。
タイムカードの打刻は5分前後の誤差しか無い。
仕事の内容も変化なく、帰宅する時間も同じ。
ちょっとでも予定が狂うと何故か気忙しい気分になる。
もし、そうだなと思う方は、ちょっとした刺激に拒絶感を生み出しやすい環境を育んでいます。
こういった、新しい刺激がない日々は、当たり前や当然という思い込みのトラップを自分で作ることになりますよ。
あと、補足を入れるとすると、被害妄想的な方は、ブログを読みながら、私に対して嫌なことを言うやつだと感情的なスイッチを入れる方もいれば、自分に対して「悪いこと」だと反応されるものです。
くれぐれも、念押しすることの一つに、被害妄想が「悪い」とは伝えていません。
大切なことは、「そうかぁ。私はどんなときに出るのかな?」などと考え、自分を律する機会として気づきにつながればと書いています。
そして、こういった内容でさえも、事実を事実として捉えられずに「それは悪いことだ!」と私情を交えて感情的に考えることこそが被害妄想なんですよねぇ。
他にもご相談で良くある話。
仕事の場面だと・・・。
同僚が上司と話しているのを見て、「自分が影で話題にされているのではないか」と感じる。
家庭の場面だと・・・。
家族が何かに悩んでいるとき、「自分の一言が原因なのではないか」と感じる。
友人関係だと・・・。
友人が沈黙しているとき、「無視されている」と思い、腹を立てる。
などなど。
こういった傾向の方の多くは、色々な経験不足気味。
そうすると脳の消化不良も早くて許容量に応じて情報をカットしがちになります。
このことで厄介なことは、会話を聞いても感情的に反応した部分だけを切り取りしてしまいます。
結果的に、独りよがりの勘違いと誤解から、相手に対して批判をして誹謗中傷をする「言いがかり」をつけているのです。
被害妄想の背後にある心理
被害妄想の背後には、自己評価の低さや他人からの承認欲求が影響しています。
自分に自信がないと、他人の評価を過剰に気にするようになる。
その結果、被害妄想が生じるのです。
さらに、実際には他人はそれほどあなたのことを気にしていないという事実も背中合わせ。
多くの人が自分のことで手一杯であり、他人の行動に対して深く考えているわけではないのです。
被害妄想の影響
被害妄想によるストレスが増加
被害妄想は、ストレスを増加させる原因に。
他人の評価や反応を過度に気にすることで、日常生活が緊張や不安に満ちることが多いです。
被害妄想による自尊心の低下
被害妄想は、自己評価を低下させます。
他人の反応に過剰に反応することで、自分の価値を低く見積もりがちに。
また、誰も「悪い」と入っていないのに、自分が悪いと言われていると反応しがち。
存在していな出来事を妄想して自尊心を自らで傷つけてしまいます。
被害妄想による人間関係の悪化
被害妄想は、人間関係にも悪影響を及ぼします。
自分がどう見られているかを気にしすぎることで、自分を偽ったコミュニケーションを発揮。
自分自身がどんな会話やコミュニケーションを取りたいのかさえわからなくなってしまいます。
そのため、必要のない無理をしてしまい、相手との関係がぎくしゃくしてしまうことも。
他にも猜疑心が強くなることから、どんなに良いお話でも疑うことで機会を逃すことも多々。
被害妄想の良い面
被害妄想にも、実は良い面があります。
他人の反応に敏感になることで、共感や理解が深まることがあります。
また、相手の行動から自分の行動を振り返り改める機会を得るための行動力が高まることも。
被害妄想を自分の魅力に活かすアプローチ
自分自身の感情や状態を時系列で書き出す
自分の感情やその時々の状態を紙に書き出してみることは思ったよりも役に立つ。
時系列で書き出すことで、どんな気持ちや状況を経験しているのかを客観的に見ることができるからです。
文字に可視化することで自分自身への理解が深まり、その成長を振り返る。
そうすると頭の整理ができて自然と心が軽くなってくるもの。
そして、あなたの努力や達成をしっかり見つめて、自分をもっと自分自身が褒めてあげましょう。
他にも不安な気持ちを書き出すこともいいですね。
何を恐れているのかが明確になります。
不安や恐怖を客観的に見つめることで、それほど恐れる必要がないことに気づく方も多く、そのことで適切に対処できるようになります。
肯定的な雰囲気のあるグループに所属
肯定的な雰囲気のあるグループに所属することって心が楽になるもの。
他者から肯定され、存在を認めてもらうことで、自分自身の価値を再確認し、自己肯定感を高めることの一歩を踏み出せます。
自分の成長に気づき、前向きなメッセージが飛び交う中で心がホッとする事ができます。
できることに目を向けている人たちといると、自分の行動力も自然に上がります。
産業カウンセラーなどから心理的サポートを受ける
産業カウンセラーなどから心理的サポートを受けることも効果的。
産業カウンセラーは心理学の専門知識を持ち、職場での悩みに寄り添ってもらうことで存在意義が高まります。
自分では気づきにくい強みや能力を発見すること。
発見したことを論点整理することで高める具体的なアクションプランを考える機会も魅力的。
自己理解や成長を促進し、自己肯定感を向上させることができると明日の不安も吹っ飛びます。
あなたが思うほど、他人はあなたのことは眼中にない
覚えておいてほしいのは、他人はあなたが思っているほど、あなたのことは眼中にありません。
多くの人が自分のことで手一杯。
あなたの行動に対して、深く考えているわけでもありません。
逆に、とても無責任な生き物。
表面上の相槌や同調して嫌われるコトを避けるあまり、言動の責任を取る程に意識している方は少ない。
自分に対する過剰な意識を軽減するためには、この点を理解することが重要です。
そして、あなた自身のことも振り返ってみてください。
あなたの言動から生まれる影響することに対して、どれほどの責任を持っていますか?
想定外の影響に対する責任の詳細はどなたも浅く、責任を取ることができないのも事実です。
被害妄想からの脱出 まとめ
被害妄想は、自分が他人から攻撃されたり、不当に扱われたりしていると感じる認知の歪み。
この思考パターンは、ストレスの増加や自尊心の低下、人間関係の悪化を引き起こすリスクがあります。
ですが、被害妄想を自分の魅力に活かすアプローチ取り入れ、他人は他人の人生がある。
あなたがあなた自身のコトを気にしているように、みな自分のことを一番気にしている。
そのような事実を理解することで、適正な判断力ができるようになります。
次回のエピソードでは、『~してくれない』が引き金に:怒りの爆発とその対処法について詳しく見ていきます。
お楽しみに!
停滞の美学:頑張らない日もアリ! ショート動画
https://youtu.be/kY4YUe4ZGL0