離婚成立後の財産分与/女性弁護士による法律相談@福岡
Cさんのご相談
「離婚をすることになりました。
自宅(一戸建て住宅の土地建物)を妻に財産分与することにしたのですが,
私の方に税金がかかると聞いたのですが,本当ですか。」
離婚の際に,財産分与として,金銭以外の不動産等を分与した方は,
譲渡所得の課税対象となり,譲渡所得税が課される場合があります。
譲渡所得税というのは,値上がりの可能性がある財産(不動産,株式など)につき,
値上がりがあった場合に,その値上がり分の利益を取得した者に課する税金です。
利益を取得したかどうかは,財産を他に移転した時点で判定します。
たとえば,Cさんが財産分与をした自宅が,時価5000万円であったとします。
このご自宅が婚姻期間中に,1000万円で買ったものだとすると,
購入時からの値上がり分4000万円を利用した(=取得した)ことになり,譲渡所得の課税対象となります。
詳しいことは,弁護士・税理士にお尋ねください。
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お電話やメールでの法律相談は,原則として受けておりません。
法律問題は,相談者の方の個別の事情に応じて,複雑になる場合が多く,
直接お会いして,じっくりとお話を伺って,ご相談に応じたいと考えております。
最高裁判所の裁判例においても
「譲渡所得に対する課税は,資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として,
その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に,
これを清算して課税する趣旨のものであるから,
その課税所得たる譲渡所得の発生には,必ずしも当該資産の譲渡が有償であることを要しない」とした上で,
「財産分与として不動産等の資産を譲渡した場合,分与者は,これによって分与義務の消滅という経済的利益を享受したものというべきである。」旨判示しています(最判三小昭50,5,27)。
確かに,この点については,一般の感情論としては,理解しがたいところがあり,
学識者の批判も少なくないのですが,現在の課税実務は,上記の通りです。