懲戒処分の指針
社内の機密事項を漏えいさせた社員
今後、複数回に分けて会社と社員とのトラブルなど実際にご相談を頂いた事例を中心にお伝えします。
今回は、
「社内の機密事項を漏えいさせた社員の処分について」
です。
・退職時に、社員が会社の機密事項を持ち出した。
・社員が取引先の顧客データを持ち出した。
・取引先に社内の機密事項を話している。
・家で仕事をしているが、データを持ち出して行っている。
などこの手のご相談は、数多くあります。
大事なのは発生させない予防策をどれだけ打てるかです。
ですが、就業規則上に
・USBやCD、個人用のパソコンへのメール送付などは禁止する。
・業務上のパソコンにおいて定期的にメールチェックを行う。
などの記載があることで一定の抑制効果となります。
また就業規則の内容が遵守されていることを定期的にチェックしたり、会議などで周知する等が行われていることが必要となります。
これは判例でも証明されています。
【M坂産業事件 大阪地裁】(平成24年11月2日)
・社員の昇給データを持ち出し、労働組合と会社の団体交渉を有利に進めることにした。
・街宣活動を行うために、取引先のデータを社外に持ち出した
但し、実際には街宣活動に使用されなかった。
・就業規則には、
「会社の機密情報を社外に漏えいしようとしたとき、あるいは現に漏えいさせたとき又は事業上の不利益を計ったとき」
「会社内で横領、傷害などの刑法犯に該当する行為があったとき」
は懲戒解雇する旨が記載。
・会社は就業規則に従い、懲戒解雇を実施。解雇無効を争った事件。
裁判所は、
「社員の昇給データ、取引先のデータは窃盗行為であり、警察にも窃盗事件として届け出がされている。(有罪判決を受けている)また就業規則に「情報を漏えいさせようとしたとき、情報を漏えいしたこと」の記載があり、実際に事業上の不利益を理由とした懲戒ではなく、持ち出されたことが懲戒理由であること」
として懲戒解雇を有効としました。
刑法として有罪判決が出ていますので、懲戒解雇は有効になる可能性が高いですが、それ以外にも就業規則への明示、定期的な教育、必要なチェックなどが有効となります。
情報漏えいを行わせない教育は記録を残すことが大事となりますので定期的な会議の議事録や社内掲示板などでも記載しておきましょう。
それだけで大事な機密情報に対する意識が徹底されます。
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