「インサイドセールス」中小企業でも導入できる実践的ノウハウ
「なぜですか?」と聞いてはいけない。顧客の本音を引き出す営業
の「傾聴」と「質問」7つの技術
「お客様は、なかなか本音を話してくれない…」
「一生懸命に商品の良さを説明しているのに、なぜか響かない…」
多くの営業担当者が抱えるこの悩み。その原因は、あなたの「話す力」にあるのではなく、むしろ「聴く力」にあるのかもしれません。
売れない営業担当者ほど、自分が話すことに夢中になります。商品のスペック、自社の実績、キャンペーン情報…。
しかし、顧客が本当に知りたいのは、それらの情報ではありません。
顧客が知りたいのは、「この人は、自分の悩みや課題を本当に理解してくれているのか?」という一点だけです。
私はこれまで6,000件以上の経営相談に対応してきました。その中で確信したことがあります。それは、課題解決の答えは、常に相手の中にあるということです。私たちの役割は、答えを教えることではなく、相手が自ら答えを見つける手助けをすること。そのために不可欠なのが、「傾聴」と「質問」の技術なのです。
【あなたの営業は大丈夫?やってはいけない質問】
まず、多くの人が無意識にやってしまいがちなNGな質問があります。
それは「なぜですか?」という質問です。
この質問には、相手を詰問するような響きがあり、言われた側は「責められている」と感じて心を閉ざしてしまいます。
では、どうすればいいのか?同じ意図でも、「何がそうさせているのですか?」と尋ねるだけで、印象は全く変わります。「なぜ」を「何が」に変えるだけで、質問は「詰問」から「探求」へと変わるのです。
【顧客の心を掴む「傾聴」と「質問」7つの技術】
1. 「聞く」ではなく「聴く」
「聞く(hear)」は音が自然と耳に入る状態。「聴く(listen)」は、耳と目と心を相手に集中させ、注意深く耳を傾ける状態です。相槌、うなずき、表情こそが、「聴いていますよ」という最強のメッセージです。
2. 相手の言葉を「要約」して返す
「つまり、〇〇という点でお困りなのですね」と相手の言葉を繰り返すだけで、相手は「理解してもらえた」と強く感じ、信頼関係が深まります。
3. 「拡大質問」と「特定質問」を使い分ける
最初は「現状について、もう少し詳しく教えていただけますか?」といった拡大質問で自由に話してもらい、課題の輪郭が見えてきたら「その中で、最も優先順位が高いのはどれですか?」といった特定質問で核心に迫ります。
4. 「沈黙」を恐れない
質問を投げかけた後、相手が考える「間」を待ちましょう。多くの営業担当者は沈黙が怖くてすぐに別の話をしてしまいますが、その「間」こそが、相手が本音を探している貴重な時間なのです。
5. 未来志向の質問をする
「もし、その課題が解決されたら、どんな理想の状態になりますか?」と未来に目を向けさせることで、相手はワクワクし、課題解決へのモチベーションが高まります。
6. 「リクエスト」で伝える
「〇〇してください」という命令ではなく、「もし可能でしたら、〇〇について教えていただくことはできますか?」というリクエスト(依頼)の形で伝えることで、相手は尊重されていると感じ、協力的な姿勢になります。
7. 自己開示で心の壁を溶かす
いきなり相手のことばかり聞くのではなく、「実は私も以前、同じようなことで悩んでいまして…」と、まず自分から心を開くことで、相手も安心して本音を話しやすくなります。
これらの技術は、小手先のテクニックではありません。
それは、相手への深い敬意と関心から生まれる「姿勢」そのものです
商品説明に終始する「モノ売り」から、顧客の課題に寄り添い、未来を共に創る「パートナー」へ。あなたの営業スタイルを根本から変革する、一生モノのコミュニケーションスキルを手に入れてください。
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