採用マーケティング③ リードジェネレーションとナーチャリング
採用のターゲティングとペルソナ
前回はリードジェネレーションとリードナーチャリングは異なる行動を取る必要があると説明いたしました。
今回はターゲットの明確化についてお話ししたいと思います。
「誰でもいい」と「あなただから」
「誰でもいい」と言われるのと「あなただから」と言われるのとどちらが嬉しいでしょうか?
セミナーや研修でこういった話をしますと、
「いや先生、人手が足りず、猫の手も借りたいので来てくれるのであれば誰でもいいんです」
と言うので「誰でもいい」のはやまやまかもしれません。
「あなただから」当社に来てほしい、と言うためにはターゲットの設定をきちんとしておく必要があります。
あたなの会社では、どの様な人材をターゲットとしていますか?
若い男性社員がいい
以前、ある社長に聞くと「若い男性がいい」と言っていたので、
「どうしてですか?」と聞くと「長く働いてくれるから」とのことです。
現在、人口が減少しており、下記の「国立社会保障・人口問題研究所」の2025年の人口ピラミッドの予測を見ると今後、20代前半の人口、つまり“新卒“の人数は激減してゆきます。
この状態では、少ない新卒の取り合いをするとなると何もしないと
「当たり負け」
をしてしまう可能性が高くなります。
出典 国立社会保障・人口問題研究所 人口ピラミッド
https://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/2025.png
この状況を見ても「若い男性」をターゲットにするつもりでしょうか?
どの様にターゲットを設定するか
新卒の場合と中途採用(キャリア採用)でそれぞれ設定をしますが、まずは定量的な情報を元にセグメンテーション化を行いそこからターゲットを選んでいきます。どの様に市場を分割するかがポイントになりますが、これはいわゆる、フィリップ・コトラーのSTP分析になります。
例えば、
・卒業資格
・卒業後の経過年数
・在職経験(実務経験)
・保有資格
・特定の能力の有無(資格以外)
・過去の経験(実務経験以外の経験)
この時に忘れてはいけないのは、要件を「拡大する」か「絞る」かです。
拡大するか絞るか
例えば、経理のスタッフを募集しようとして、資格要件として簿記検定2級を設定します。
この場合、簿記2級の資格は果たして本当に必要になるのでしょうか?
経理スタッフのスキルを担保する意味で簿記検定2級合格としているにすぎないので、本来は、2級合格でなくても良い場合もありますよね。
つまり、3級しかもっていなくても10年間経理の仕事の経験があれば、それでもよかったりします。
「そんなの自分で判断して応募してこい!」などと言う人もいますが、人手不足の中、求職者の方が選択枝が多く有利な状況で「応募してこい!」なんていっていたらいつまでたっても有益な求人なんてできません。
ここで重要なのは、本当に必要な要件はなにか?です。
先ほどの例で考えてみてください、新卒で社会人経験がない簿記検定2級をもっている人と10年間経理の仕事をしていて簿記検定3級を持っている人とどっちが必要でしょうか?
5年後にベテランの経理スタッフが退職するのでそれを見込んでいまのうちから人を採る状況なのか、経理のスタッフが急に産休・育休に入り即戦力でほしいのか、状況によりますよね?
こういったことも考えて、要件を「拡大する」か「絞る」かが重要になります。
ペルソナ設定
その次に、ペルソナ設定を行います。
これは、いわゆるターゲティングよりももっと細かい情報を考え、実際に存在していそうな人物像を考えます。
・出身校
・家族構成
・あだ名
・趣味、部活、所属サークル
・所属している集団でのポジション
・口癖
・基本的な行動原理
・入社後3年後の姿
などです。
この様に、セグメンテーションからターゲティングを行うのと、ペルソナ設定を両方を行う必要があります。
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