【恋人がうつ病になったら】あなたにできること、できないこと

「うつ病の人に寄り添いましょう」とよく言われます。
けれど実際の生活の中で「寄り添う」ってどうやるの?と悩む人は少なくありません。
分かっているつもりでも、具体的な方法が見えないと動けないもの。
そこで今回は、家族としてうつの人に寄り添うときに大切にしたい3つのポイントと、すぐに取り組める実践ワークを紹介します。
1.心の距離を見極める
寄り添う第一歩は「心の距離」を整えることです。
相手の気持ちに共感し、何がつらくて、どんなことに困っているのかを理解する。これが寄り添いの出発点です。
ただし、共感したからといって「病気を治そう」とか「リハビリをさせよう」と考える必要はありません。
治療は医師の役目。努力は本人の役目。では、家族の役目は?
それは「一緒に悩むこと」です。
うつ病の人にとって、最大の苦しみのひとつは「自分は独りぼっちだ」という感覚。
隣で「どうしたらいいんだろうね」と一緒に悩んでくれる人がいるだけで、孤独感はやわらぎます。
ワーク①共感のメモをとる
■1日1回、相手の発言を「そのまま」書きとめる。
■その後、自分の言葉で「こう感じているのかな?」と推測を書いてみる。
例)
相手の言葉:「何もやる気がしない」
自分の推測:「やらなきゃと思っているけど、体がついていかなくて苦しいのかも」
書くだけでOK。解決しようとせず「理解しようとする姿勢」を持つことが大切です。
2.物理的な距離を整える
次に大切なのは「物理的な距離感」です。
うつ病の初期は特に症状が急激に変化します。家族としては「ずっとそばにいなければ」と思うかもしれません。
とくに「死にたい」「いないほうがいい」といった言葉を耳にすると、片時も目を離せなくなるでしょう。
けれど現実には、24時間一緒にいることは不可能です。
仕事や家事もあるし、ずっとそばにいようとすると今度は支える側の心が壊れてしまいます。
ではどうしたらいいか?
ポイントは「助けて」が聞こえる・言える距離感です。
ワーク②「SOSサインリスト」を一緒に作る
■相手が「助けてほしい」と感じるときのサインを書き出す。
(例:食欲がゼロ、涙が止まらない、同じ言葉を繰り返す…)
■それを見たときに、家族はどう対応してほしいかも一緒に決めておく。
(例:黙って隣に座る/声をかけてほしい/医師に連絡してほしい)
リスト化しておけば、本人も「伝える」負担が減り、家族も「どうすればいいのか分からない」という不安から解放されます。
3.アサーティブに関わる
最後のポイントは「アサーティブな関わり方」です。
アサーティブとは「相手もOK、私もOK」という姿勢で自己表現するコミュニケーションのこと。
うつ病の家族と接していると、
■相手はOK、私はNG
■相手はNG、私はOK
というアンバランスが繰り返し起きがちです。
けれど、これはじゃんけんではありません。
どちらかが必ず我慢する必要はないのです。
「あなたの気持ちも大事。私の気持ちも大事」
そのうえで意見が一致しないなら、「どうしたらお互いに無理がないか」一緒に相談する。
ワーク③「私は~」で気持ちを伝える練習
アサーティブな表現は「Iメッセージ(私は~)」を使うのが基本です。
■NG:「なんで寝てばかりなの?」(相手を責める表現)
■OK:「私は、一日中寝ている姿を見ると心配になるよ」(自分の気持ちを伝える表現)
<ワークの方法>
1.相手に伝えたいことを頭に浮かべる
2.「私は~」を主語にして言い換える
3.可能なら鏡の前や紙に書いて練習する
練習するだけで、相手も自分も守れる伝え方が身についていきます。
4.まとめ:「寄り添う」は“隣で一緒に生きる”こと
「寄り添う」とは、相手を助け出すことでも、無理に元気づけることでもありません。
■心の距離を見極めて、一緒に悩む
■物理的な距離を整えて、孤立も共倒れも防ぐ
■アサーティブに関わって、相手も自分も大切にする
そして実践のために、
➊共感のメモをとる
➋SOSサインリストを作る
➌「私は~」で伝える練習をする
これらのワークを少しずつ試してみると、寄り添い方のイメージがぐっと具体的になります。
うつ病は長い時間をかけて向き合う病気です。だからこそ、家族も無理をせず、自分の心を守りながら寄り添っていきましょう。
「一緒に悩んで、考えて、時々休む」
それが、ほんとうの意味での“寄り添い”と言えるでしょう。
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