他人の気持ちより、“わたしの気持ち”を大切にする生き方

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:自分軸を立てよう

他人の気持ちより、“わたしの気持ち”を大切にする生き方

私たちは日常生活のあらゆる場面で、無意識のうちに「他人の気持ち」に応えようとしています。
職場での上司の指示、家庭での家族の要望、友人との関係の中での暗黙の了解――。 それは人間関係を円滑に進めるための自然な営みであり、誰もが経験することです。

しかし、その積み重ねが自分の心身をすり減らしていることに気づいたことはありませんか?
この記事では「なぜ他人の気持ちや期待に応えすぎてしまうのか」「その背景にある心理」「そこから抜け出し、自分自身を取り戻す方法」について考えてみたいと思います。


1.なぜ私たちは他人の気持に応えようとするのか?


他人の気持に応えようとする理由は一つではありません。代表的なものを挙げると、

■自分が価値のある人間だと思われたいから
■過去の経験から「応えなければいけない」と学んできたから
■文化や社会が「期待に応えることは良いこと」と教えているから
■自分の役割を果たしたいから
■相手をがっかりさせたくないから
■相手の喜ぶ顔が見たいから

どれも、とても人間らしく、誰もが自然に持つ感情です。
だからこそ「他人の気持に応えること」自体が悪いわけではありません。
むしろ、それがあるから社会や家庭が成り立っているとも言えます。

しかし問題は、そこに「自分の意思」が置き去りにされてしまうときです。
自分の心の声がどこにも含まれていないまま「相手の目のためだけに動く」ことを繰り返すと、やがて疲労感や空虚感に襲われてしまいます。

そんなときこそ、自分に問いかけてみましょう。

「これは私が本当にやりたいこと?」

この一言が、自分を取り戻す小さなきっかけになります。

2.いい人になろうとする裏にある「見捨てられ不安」


多くの人が、必要以上に他人の気持に応えてしまうのは「いい人に思われたいから」です。
誰かに好かれたい、信頼されたい、安心されたい――そう思うのは自然なことです。

けれども、その気持ちが強すぎると「いい人でいなければならない」という義務感に変わってしまいます。
そしてその根っこには、こんな不安が隠れているかもしれません。

■いい人と思われなければ、見捨てられる
■期待に応えなければ、嫌われる
■役に立たなければ、攻撃される

大人の社会で「いい人」とは「周りの役に立つ人」と定義されることが多いものです。そのため、言葉にならない他人の気持にまで敏感に反応し、迅速に応えようとする人も少なくありません。

もちろん、他人に見捨てられることは不安であり、恐怖です。しかし、そこにばかり意識を集中させてしまうと、もっと大切なことを見失います。

それは――自分で自分を見捨ててしまうこと(自己否定)です。

他人からの評価を優先するあまり、「自分はどうしたいのか」を置き去りにすると、自分自身を尊重する感覚が薄れていきます。
その結果、どれだけ周囲から「いい人」と思われても、内側には満たされない虚しさが残ってしまうのです。

3.「わたし」がどうしたいかを考えることの大切さ


では、どうすれば他人の気持に振り回されずに、自分を大切にできるのでしょうか。その第一歩は、とてもシンプルです。

「わたしはどうしたいのか」

と問い直してみることです。

他人の気持に応える行動と、自分が望む行動が一致しているなら、何の問題もありません。
たとえば「相手を喜ばせたい」という気持ちと「自分がそれをしたい」という気持ちが重なっているなら、それはむしろ幸福な体験です。

しかし、多くの人が疲れてしまうのは「他人の気持に応えること」そのものが自分の望みになっているからです。
つまり「自分は二の次」と考えてしまうのです。

その背景には、「自分の感情や欲求を出すことはわがまま」「自分の願望を表現するのは罪」といった思い込みがあるケースが少なくありません。心当たりはありませんか?

けれども、実際には「わたしがどうしたいか」という気持ちは、表面的なワガママではありません。
本来それは、もっと深く、包括的で、周囲との共生を含んだ自然な欲求なのです。

「わたしがどうありたいか」を大切にすることは、他人を犠牲にすることではなく、むしろ健全な人間関係を築くための基盤になります。

4.自分軸を育てるためのヒント


「わたしがどうしたいか」が分からない……。そんな声もよく耳にします。
長年、他人の気持を優先してきた人にとって、自分の願いを言葉にするのは難しいことです。

そんなときには、次のような小さなステップを試してみてください。

➊日々の小さな選択で「自分の気持ち」を確認する
例えばランチを選ぶとき、「どっちが栄養に良いか」ではなく「今日はどっちを食べたいか」で選んでみる。

➋心の声をノートに書き出す
「本当はこうしたい」「こう感じている」と思うことを、評価せずそのまま紙に書いてみるだけで、自分の感情に気づきやすくなります。

➌“やりたくないこと”リストを作る
自分の願望が分からないときは、まず「やりたくないこと」を書き出してみる。そこから逆に「やりたいこと」が浮かび上がることがあります。

➍信頼できる人に話してみる
安心できる相手に、自分の本音を少しずつ伝えてみましょう。「わがままに思われるのでは」という不安が薄らぎ、自分の欲求を認めやすくなります。

5.おわりに――「自分を見捨てない」選択をしよう


■他人の気持に応えること自体は自然で人間らしいこと。
■しかし「自分の意思」が抜け落ちると疲弊しやすい。
■背景には「見捨てられ不安」や「自己否定」が隠れていることがある。
■「わたしはどうしたいか」と問い直すことで、自分軸を取り戻せる。
■小さな選択から自分の感情・欲求を大切にしていこう。


他人の気持に応えることは、人間関係を大切にするために必要な側面もあります。
しかし、その行動に「自分の意思」が全く含まれていないとき、人は必ず疲れてしまいます。
なぜなら、自分自身を見捨ててしまっているからです。

「いい人」であることは素晴らしいことです。
ですが、それ以上に大切なのは「自分自身を大切にできる人」であることではないでしょうか。

今日から少しずつでかまいません。「これは私が本当にやりたいこと?」と自分に問いかけてみてください。
その小さな一歩が、他人の気持に縛られない、自分らしい生き方を育ててくれます。


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