自分軸＝“わがまま”じゃない｜自己中心と自己尊重のちがい

「自分の気持ちを大切にしたい」「もっと自信を持ちたい」

そんな思いがあるのに、どこかで「ワガママと思われないか」と不安になることはありませんか？
本記事では、“自分軸”と“わがまま”の違いを明らかにしながら、本当の意味で自分を大切にする在り方を探っていきます。

1．自信をつけたいと思う人は多いけど、自分軸を意識している人

『自分にもっと自信を持てたら…』
そう思う人は、きっと少なくありません。
若い人だけではない、大人だってそう思います。

人は生きていると「ステージ」が変わります。
若者には若者の、壮年期には壮年期の悩みや壁がある。
それと正面から向き合うためには、「自信」の後押しが欲しいですよね。

自分に自信を持とう、とした人がまずチャレンジすることって──

■容姿を整える
■経済的な安定を目指す（お金を稼ぐ）
■資格やスキルを増やす
■人脈を広げる

などが多いと思います。どれも努力や勇気が必要ですし、実現すれば大きな財産になります。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
これらを目指す「自分」は、どんな「自分」でしょうか？

たとえば「人脈を広げる」といっても、四方八方に無制限で広げることはできません。
SNSを使ったとて、発信テーマや方向性がなければ、人は共感してくれません。

この「どんな自分で生きたいのか」という問いこそが、自分軸のはじまりです。

自分軸が見えてくると、「本当に自信を持てる自分像」も、少しずつ明確になっていきます。
外側を整えるだけでなく、「内側の軸」をしっかり立てることで、ぶれにくくなるのです。

2．私はワガママ？それとも自分を大事にしているの？

「自分の心の声や願望を受け入れましょう」
そう言われたときに──

『それってワガママじゃない？』
と不安になる方に、よくお会いします。

たしかに、子どものころ「わがまま言わないの！」と怒られたり、
自分の意見を伝えること＝悪いこと、と学んでしまった人もいるかもしれません。

でも、そもそも“ワガママ”って何でしょう？

ネガティブな「ワガママ」は、

■相手の状況や気持ちを無視して、自分の意見を押し通す
■責任を持たずに、ただ“欲しい”を主張する

といったものではないでしょうか。

では、「自分の心の声」とは？
それはきっと、もっと深くて真摯なものです。

■自分の信念に基づいていて
■大事な誰かのことも気遣っていて
■背負うべきリスクや責任も含んでいる

そんな「心の声」を受け入れて、形にしていくことは、決してワガママなんかではありません。
それはむしろ「自己尊重」であり、「自己実現」です。

本当の意味で自分を大切にすること。
それは同時に、他者も大切にする準備をしている、ということなのです。

3．本当の自分軸は“皆のため”にもなる

ここまで「自分軸」はわがままではない、という話をしてきましたが、
実は「本当の自分軸」は、それだけで終わりません。

それは──「皆のため」にもなる、ということ。

どういうことかというと、
自分軸が定まっている人は、周囲を振り回しません。
むしろ、言動が安定していて信頼されやすく、周囲に安心感を与えます。

■自分の感情に責任を持てる
■相手に依存しない
■境界線（バウンダリー）を持ちつつ、思いやりがある

こういう人って、いませんか？
たとえ特別に何かをしてくれなくても、
そばにいるだけで安心するような、落ち着いた雰囲気の人。

そういう人こそ、自分軸が育っている人です。

自分軸を持つことで、自分を大切にすることができる。
自分を大切にできるからこそ、無理なく人にも優しくできる。
そして、その姿勢が周囲にも波及して、良い影響を与えていく。

つまり──
「自分のため」が、結果的に「みんなのため」になるのです。

ここが「自己中心」と「自己尊重」の、いちばん大きな違い。

自己中心は「他者を顧みない自分本位」ですが、
自己尊重は「自分も他者も大切にする」というスタンス。

だから、自分軸を育てることに、どうか遠慮しないでください。
それはあなた自身の幸せを土台から支えるだけでなく、
まわりの人の幸せとも、確かにつながっているのです。

4．おわりに

「もっと自信を持ちたい」「もっと人間関係を良くしたい」と願う人ほど、
外側を整えるより前に、まず「自分軸」を見つめてみてください。

あなたが「どんな自分で生きていきたいのか」。
その問いに向き合うことこそ、ブレない自信と優しさのはじまりです。