心の基盤を強化する!自己肯定感と自己効力感の違いと実践法

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:自己啓発

心の基盤を強化する!自己肯定感と自己効力感の違いと実践法

自己効力感、そして自己肯定感。
日本語で書くと非常に似ているので混同しがちですが、実は意味も使い方も違います。
しかしどちらも向上させることで心の基盤・土台を強化し毎日の生活を充実させストレスを低減してくれる非常に強力なスキルです。
今回は自己効力感と自己肯定感の違いを知り、それぞれの使い方、磨き方についてご説明いたします。


1.自己肯定感と自己効力感とは


①それぞれの定義


【自己肯定感】
自己肯定感とは、「自分自身をありのままに受け入れ、価値ある存在だと感じる感覚」です。
自分を尊重し、良い点も悪い点も含めて自分を認めることができる力です。
自己肯定感が高い人は、自分に対する自信や安心感を持ち、失敗や困難にも柔軟に対応しやすくなります。

【自己効力感】
自己効力感とは、「自分にはある目標や課題を達成する能力があると信じる感覚」です。
自分の行動が結果に結びつくという信念を持っているかどうかが重要です。
自己効力感が高い人は、困難な状況でもその解決に向けて自ら行動を起こしやすくなります。

②なぜこの2つが重要なのか


まず自己肯定感は、自分を否定することが無いため、過度な自己批判によって自分を傷つけたり思考や認知を歪めることがありません。
自分をありのままに受け容れることが出来る、ということは、自分を取り囲む周囲の状況もありのまま受け入れることに繋がります。
そのため現実から乖離することなく、メンタルを安定させることが出来ます。

もう一つの自己効力感は、「自分はこの課題を達成できる」と信じる感覚です。具体的かつピンポイントな自信といえます。
何か困難な状況や、過去に経験したことがない高いハードルに向き合わなければいけない場合でも、その課題に対して自己効力感を持つことが出来れば挑戦するモチベーションが高まります。

③自分らしい人生を送るために必要な心の基盤


言い換えると、
自己肯定感=安心感を得られる
自己効力感=前に進むための力
です。

今の自分をありのまま受容し大事にできることで心身が健康になります。メンタルが安定すると未来に対しポジティブな見方を出来るようになります。その未来に対し突き進む時、必ず壁が立ちふさがります。その壁を乗り越えるとき、自己効力感が後押ししてくれるのです。



2.自己肯定感の本質:自分を受け容れる力


自己肯定感は自分をありのまま受け入れること、と先ほどお話しました。
「ありのまま受け入れる」ことが出来ないのは、欠点や短所、苦い経験への拒否感があるからです。自己肯定感はこれらも含めて受け入れることで向上します。

自分で自分の欠点や過去を受け入れることが出来ると、他者からの評価や目線に左右されることが無くなり、自分が「こうしたい」と思う選択や行動が容易になります。

自己肯定感を育てることで、以下のようなメリットがあります。

  • 精神的に安定する
  • 他者を尊重して、良好な関係を築ける
  • 周囲の期待やプレッシャーに振り回されなくなる


しっかりした強固な地盤の上に家を建てるようなイメージです。多少の災害ではびくともしません。そういう家に住んでいると、安心して仕事も勉強も頑張れるし、家族にも優しくなれますよね。

逆に次の要素は自己肯定感を脅かします。

  • 行き過ぎた自己批判
  • 他者の評価を過剰に意識し、依存する
  • 過去のネガティブな経験
  • 完璧主義


これらを「悪いもの」と捉えようとすると、それは自己肯定感を遠ざけることになります。
こうした部分も自分の一部として受け入れられるのが自己肯定感です。

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3.自己効力感の本質:自分を信じて行動する力


自己効力感は、「自分はこの目標を達成できる/課題を乗り越えられる」と信じる、自己信頼の感覚です。
これは特定の行動やスキルに対する自信です。特に強く確信できる信念と言えるでしょう。
自己効力感を感じられるテーマに対してはモチベーションを高めることが出来、挑戦しようと思う原動力になります。

高い自己効力感のメリットは次のようなものがあります。

  • 目標達成の意欲とモチベーションを喚起できる
  • 困難に立ち向かう力が沸く
  • ストレス耐性の向上


自分の力で目標を達成できると更に自信が高まります。自己効力感とは特定のテーマに限定して感じるものですが、「他のことも出来るかもしれない」と他のテーマへのチャレンジが可能になります。もし躓くことがあっても元々持っている自己効力感でリカバリーすることが出来ます。

自己効力感は、自分の経験やそこから得た学びを通じて育ちます。

  • 小さな成功体験を積み重ねる
  • 周囲の成功者から学ぶ(モデリング)
  • 他者からの励ましや肯定的なフィードバック


高い自己効力感を持つことで、困難に立ち向かいながら目標を達成する力や、ストレスへの耐性を強化できます。
成功体験を積み、ロールモデルを活用し、励ましを受けつつ、感情を安定させることで、自己効力感を高めていくことが可能です。

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4.自己肯定感を高める方法


ではそれぞれのスキルの高め方について解説します。

まずは自己肯定感です。
自己肯定感は「今の自分を良い悪い関係なく受け入れる」感覚ですから、自分自身を今一度受け容れ直す必要があります。

【ジャーナリング】

  • 自己対話し、自分自身を客観的に見つめ直す
  • 毎日の生活で「感謝の気持ち」を書き出すことで、ポジティブな視点を持つ習慣をつける
  • 自分の強みや成長を振り返ることで、自分の行動を肯定できるようになる


【成功体験を積み重ねる】

  • 現実的で達成可能な目標を設定する(1日10分歩く、5分間読書する、など)
  • 達成した内容を振り返り、積極的に自分を褒める
  • 「出来なかった」結果も、受け入れられるポイントが無いか探す(リフレーミング)


こうした体験を重ねることで、「どうして○○出来ないのか」「○○出来ない自分はダメな奴だ」「Aさんと比べると自分には価値がない」のような自己批判的視点が弱まり、完璧主義が弱まって「今自分が出来ていること」や「出来ている自分」に価値を置くことが出来るようになります。

5.自己効力感を高める方法


次は自己効力感を高める方法です。
自己効力感は特定のテーマに対して感じる自信ですから、自分が「これをもっと育てたい」と思うスキルがすでにあると進めやすいです。

【SMART目標設定による行動計画】
SMART目標とは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(現実的・意義ある)、Time-bound(期限がある)という5つの要素からなる目標設定のフレームワークです。
この方法を使うことで、自己効力感(自分が行動を起こして目標を達成できるという感覚)を効果的に高めることができます。


①Specific(具体的)
例えば、「運動をする」ではなく、「毎週月・水・金に30分間ジョギングをする」といった具体的な行動を設定します。

②Measurable(測定可能)
進捗を確認できることで「自分はちゃんと前に進んでいる」と感じ、自己効力感が高まります。

③Achievable(達成可能)
自分の能力や状況を考慮し、現実的に達成可能な目標を立てましょう。
たとえば、初心者であれば「1日に100回腹筋をする」ではなく、「1週間で10回増やしていく」といった段階的な目標設定が良いです。

④Relevant(現実的・意義ある)
自分が本当に達成したい、意味のある目標を設定しましょう。
たとえば、「健康を維持するために運動をする」といった目標は、長期的に取り組む動機付けとなります。

⑤Time-bound(期限がある)
限があると、行動に対する緊張感が生まれ、計画的に物事を進められるようになります。
期限内に目標を達成することで、自己効力感が強化されます。

この方法で計画を立てて実践します。
ただ、すんなり進まないことも考えられます。行き詰ったり失敗してやる気が薄れることもあるでしょう。

その時は次の視点を持って持ち直してください。

  • 失敗を単なる「挫折」と捉えるのではなく、より自分にマッチするやり方に変えるための学びの機会ととらえる
  • 行き詰まりや失敗に対して肯定的な視点を見つける(このやり方が出来ない自分がダメなのではなく、もっと自分に合う方法を探すチャンスだ)
  • 失敗体験を次のチャレンジ条件に活かす(いきなり本番ではなく、お試しをしたり道具を活用する方法を考える、など)




6.自己肯定感/自己効力感の活用事例


それぞれのスキルがどんな場面で活躍するか、事例で見てみましょう。

①生活全般のストレス管理:日常生活でのストレスや不安を感じたとき


自己効力感の活用
ストレスを軽減するための具体的な行動計画を立てます。
たとえば、運動、瞑想、趣味に取り組むことは、ストレス軽減に役立ちます。

自己肯定感の活用
自分がストレスに立ち向かう姿勢を肯定しましょう。
ストレスを感じても、感じる自分事受け入れることが出来ると緊張や不安が低減します。

②人間関係の構築:新しい友人を作りたいとき


自己効力感の活用
自分が人と接することに自信を持つため、初対面の人と会話を楽しめる準備をします。
具体的には、自分が人に話しかけるための小ネタを用意したり、聞くスキルを磨いておきます。

自己肯定感の活用
自分をそのまま受け入れ、他者に対しても自分を偽らずに接することで、信頼関係を築くことが出来ます。
自分を受け容れることが出来る人は他者も受容出来ます。その姿勢が良好な人間関係構築の入り口になります。

③チャレンジングな状況:プレゼンテーションなどの緊張する場面


自己効力感の活用
自分が過去に同じような状況で成功した経験を思い出し、自分のパフォーマンスに自信を持ちましょう。
事前に準備をし、シュミレーションを行うことで落ち着きを取り戻せます。

自己肯定感の活用
自分の努力や準備を評価し、その価値を認めることで、緊張感を和らげることが出来ます。
緊張してしまう自分も含めて受け入れることで、「もしも失敗したら…」という不安が低減します。

7.まとめ


①自己肯定感と自己効力感 それぞれの定義
②自己肯定感の本質は「自分の全てを受け入れる力」
③自己効力感の本質は「自分を信じて行動する力」
④自己肯定感を高める方法:ジャーナリング、成功体験の積み重ね
⑤自己効力感を高める方法:行動計画と失敗時の対策
⑥自己効力感と自己肯定感の活用事例


自己肯定感と自己効力感のバランスを育むことで、未来に向けた一歩を踏み出すための準備が整います。
「失敗は学びの機会」と捉える成長志向を持つことが出来て、成長を楽しむことが出来るようになります。
それはまた挑戦を後押しする自己効力感を高めることにも繋がります。

今まで避けていた「他者の批判」を「フィードバック」として活用出来るようになるので、人目を過度に気にすることが無くなります。

自分を信じ、挑戦を楽しみ、未来をポジティブに思い描けるようになることが心の基盤づくりに繋がります。
それが自己効力感と自己肯定感の本質です。

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西岡惠美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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