人と比べる心理の克服法
美点凝視とは相手の欠点ではなく美点・長所を特に重視することです。
コミュニケーションにおいてとても有効な視点ですが、私はこれを「まずは自分自身に向けるべきでは」と考えました。
自分を美点凝視するコツ、そのメリットとは具体的になんでしょうか。
1.美点凝視とは?
人の短所ではなく長所を見つめるという意味。ほめるために見ることを表す言葉。
(jlogos)
自分以外の他者を見るときには、幾分遠慮や配慮もあって、無意識に良いところを探そうとするでしょう。
例えばそれが一緒に働く人とか、友人や家族なら、今後長い付き合いになることを考慮して出来るだけ良いところを探そうとするでしょう。誰だって欠点が気になるような人と付き合いたくないですから。
ですが自分に対して、だと、そうした遠慮が無くなります。
そして「自分に厳しく」することは美徳だと思われていますから、遠慮も配慮もなくがっつり欠点を洗い出します。
美点凝視どころではなくなっているのです。
自分に対してそのような目しか向けていない状態で、自信も自己肯定感も持てるはずがないですよね。
2.自分を美点凝視する手法:3つ
①具体例を探す
目に見えないものは、慣れないうちは自信が持てません。
自分の長所はこれだ、と見つけられても、他の人と比較して過小評価したり、真偽を疑ったり。
なのでまずは具体例を探しましょう。
もっと言えば「過去の実績」です。
例えば「分かりやすい話し方が出来る」という美点を見つけられた時。
過去にその美点を使って成功した体験はありませんか?
学生時代に友人の勉強を手伝った、とか、新入社員に専用アプリの使い方を教えて感謝された、とか。
一つでも思い出せれば十分です。一つしか実績が無い、のではなく、忘れているだけです。
②リフレーミング
当ブログでも何度も出てくる「リフレーミング」ですが、もう一度おさらいすると
『物事の捉え方(枠組み)を変え、違う視点から見ることです』(kaonavi)
違う視点から見る、というと、白いものを黒いと考えるとか、横から見ているものを縦から見る、などが思い浮かぶと思いますが、私が推奨したいのは『視点を増やす』と言う方法です。
正社員として働いている、ということを美点の一つとして数える場合、それ以外を美点から外してしまうと、今後正社員ではなくなったときに悩むことになります。
正社員でもアルバイトでも派遣でもフリーランスでも何でもいい、と、視点を増やしましょう。
美点凝視は他者と比較するものではありません。あくまで自分の美点を増やすのですから、「なんでもあり」とするほうが美点は増えます。
③自己イメージを変える
リフレーミングに近い考え方かもしれません。
誰でも何となく「自分は○○な人間だ」という自己像を持っています。それに満足していればメンタルは安定するし、そうでないと悩みが増えます。
自己像に満足していないとしても、人は慣れているものに安心感を覚えます。基本的に変化が嫌いな生き物です。不満を感じる自己像でも、手放して未知のものに乗り換えると考えると不安が生まれます。だから分かっていても中々変われない。
自己イメージを変えるためには、「こうなりたい」という自己像への不安を下げることです。
不安を下げるためには「未知度」を下げる必要があります。
「こうなりたい」像を細部まで具体的に想像しましょう。そうなった自分を隅々まで想定し、その自分が今の生活をしたときどんなことが起こるかを想像しましょう。
これに役立つのがジャーナリングです。
「○○な自分になったら」というテーマで徹底的にジャーナリングしましょう。
その過程で今持っている美点にも気づけるかもしれませんし、自己像が変化した後どんな美点が増えるかも見えてきます。
3.美点凝視が役に立つ場面
①コミュニケーション
本来美点凝視とは他者に対して行うものです。それを今回は自己理解に転用して説明しました。
だから美点凝視のやり方が身につけば、自然と他者の美点にも気がつけるようになります。
相手に対し好意を持って接することで関係良化に繋がります。
②自信がつく
これは言うまでもないことですね。自分に美点がたくさんあるとわかれば自然と自信が湧いてきます。
更に経験を積むことで、その中から新しい美点を見つけることが出来、自分への自信がアップデートされ続けます。
③行動力が増す
自分に自信をもてれば、不安も下がります。もし失敗したとしても落ち着いて対処できるのでリカバリーも上手くいきます。トラブル回避も上手くなるでしょう。
その結果行動力が増して経験と実績を積むことが出来ます。
4.見つけた美点は長く残る
人は大体1つか2つは自分の特徴を思い浮かべることが出来るでしょう。
それだけでは満足出来ないから美点を探すわけですが、あえて探して見つけることが出来た美点は、意外な発見なだけに長く心に残ります。
そしてこれも、人に言われたのではなく自分で見つけたからこそ強い印象を残すのです。
人に美点を見つけてもらったらもちろん嬉しいですが、それに対して納得できていなければ結構すぐ忘れます。
納得感、腹落ち感が大事なのです。
そのためには自分で探して気づくことが一番効果的です。