逃げ場を作りましょう

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:自己啓発

逃げ場を作りましょう
逃げ場所、持っていますか?
災害時の避難所のように、体だけでなく心や気持ちの逃げ場です。
「逃げ場があると成長できない」という意見もありますが、私は逆だと思います。
逃げ場は必要です。

1.なぜ逃げ場が必要なのか

逃げ場が無い状態を想像しましょう。特に「心の逃げ場」が無いときとは。

仕事では責任ある立場を任され、ミッション・ノルマを背負い、部下の育成とケアをしながら毎日フル回転で仕事をしている人。
疲れ果てて家に帰ると、今度は家事・育児が待っています。着替えるどころか腰を下ろす暇もなく家族の食事を用意し、お風呂の準備をし、食卓につく頃にはぐったりして食事を楽しむ余裕はありません。
色んな用事を済ませて日付が変わるころようやく布団に入りますが、睡眠すら「明日のための義務」になっている。


大げさでもなく、「私のことだ!」と思った方は多いと思います。
私も似たような状態でした。
仕事が家庭からの逃げ場になったり、その逆もあったりしましたが、どちらにも「やらなければいけないこと」があり、本当の意味で休まることはありませんでした。

このような状態が長期間続くと、人はどうなるでしょうか。

休む暇がないため疲労とストレス蓄積される一方です。
それは視野を狭め、思考の柔軟性を奪います。
冷静に平等に状況判断することが出来なくなるため、無茶な手段でその場を乗り切ろうとして失敗したりします。
それが更にストレスを生んで、いつかうつ病をはじめとした心身の病気を招くでしょう。

心を休ませ、冷静さを本来の自分を取り戻し、能力を発揮して満足できる成果を残すためには、逃げ場が必要なのです。

2.どうやって逃げ場を作る?

逃げ場を作らずに踏ん張ってきた人は、そもそも「逃げ場」の作り方から悩んでしまいます。
お勧めは以下の3ポイントです。

①サードプレイスを作る

大抵の人は、会社⇔家庭、または学校⇔家庭の往復だと思います。
これにもう一つ「居場所」を作りましょう。

例えばカフェ、図書館、公園。
趣味の集まり、副業、もう一つ部屋を借りる、という方法もあるかと思います。

今ある居場所(学校、会社、家庭)での役割を忘れることが出来る場所、ということです。
なので、サードプレイスにいても仕事をしていたらあまり効果はありません(笑)

②安心材料をそろえる

追い詰められてストレス過多な状態から自分を守るための「逃げ場」ですから、安心安全であることが必要です。

どんな状態なら安心、リラックスできるか、は、人によってさまざまです。
更に「快適さ」を求めるなら、自分の感覚を信じるのが一番です。

どんな場所で、誰と居て・一人で、時間帯は、傍に置いておくものは、聞こえる音は、服装は?

自己分析しつつ、安心材料を揃えましょう。

③不要な情報を遮断する

今や生活必需品のスマートフォン・携帯電話等の通信機器は、便利な分、生活から自由度を奪いました。
便利なのに自由が減った、とはおかしく聞こえるかもしれませんが、便利なのは「他人から」の目線であって、自分にとっては「いつ連絡が来るか分からない」「24時間対応できなければいけない」という無制限の緊張感を強いられているのです。
仕事と余暇の境界線が無くなります。休暇中でさえ、その気になれば仕事が出来ます。

最初は周囲から不審に思われるかもしれませんが、「仕事が終わったら電源を切る人だ」というキャラクターを確立してしまうのも「逃げ場」の一つです。

3.逃げ場に依存しないために

それでも「逃げ場があると自分はそこに頼ってしまいそうで怖い」と思われる人もいるでしょう。
逃げ場を作る・使う時には、以下の3つを守ってください。

①逃げ場にいる時間を限定する
②逃げ場に行く理由を明確にする
③酒、ギャンブル、暴食、セックスは禁止


無制限に逃げ場にい続けようとすれば、それは確かに依存になるかもしれません。
「毎週水曜日は会社帰りに映画を1本見て帰る」などであれば、2時間前後で完了しますし、必ず家に戻ります。

逃げる理由も大事です。
「ここにいたら気持ちを安定させられない。Aさんに電話をしよう、と思えたら戻ろう」
と、自分なりにその状況に応じた理由を作っておきましょう。

当然ながら暴飲暴食・ギャンブル・薬物・セックスは厳禁です。人目が無い分常習化します。

4.それでも「逃げはダメだ」と思ってしまう人へ

逃げ場は、大抵は自分一人です。周囲に人がいても、それは自分の知らない人たちですから、実質一人です。
人に囲まれて生活することに慣れると、一人になることが怖かったり、恥ずかしいと感じることもあります。それもまた、行動の自由を奪って自分を追い詰める要素です。
「一人になる・一人で行動できるようになる練習」と思うのはどうでしょうか。

また、「逃げるための逃げ場」ではなく、今自分が担っている役割(会社員、学生、妻・夫、父・母、きょうだい、など)をしっかり果たすために必要な逃げ場だ、ということを理解しましょう。そうすれば「逃げは駄目だ」ではなく、「場所を変えて余裕を作ってもう一度頑張るための準備の場」と捉えることが出来るのではないでしょうか。

5.まとめ

逃げ場は、今持っている居場所以外の「サードプレイス」で、安心材料を揃えて、情報を遮断できる環境を作ることである。
逃げ場に依存しないためには、時間限定で、利用する理由を明確にする。依存しそうな要素は持ち込まない。


逃げ場の最大メリットは「どうしても辛くなったら○○がある」と思えることで、いざという時の踏ん張りが効く、という点です。
必ずしも日常的に利用しなくてもいいのです。もしも、の時の手段は用意しておきましょう。

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西岡惠美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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