≪12月前に≫心を「冬仕様」に変えよう
失敗したり、上手くいかなかったり、落ち込んだりすることは日常的によくあることです。
反省する人と、自責して辛くなる人もいるでしょう。
似ているようで全く違う反省と自責について考えました。
1.「反省」とは
行動やあり方を振り返って、それで良いかを考える
行動やあり方を振り返り、それについて何らかの評価を下す
自分の行動やあり方の、良くなかった点を改めようと心がけること
という意味です。
反省をしようと思い立つきっかけ自体は、恐らく自分にとって歓迎しかねるものでしょう。
しかし即座に「良い・悪い」を決めつけるのではなく、状況を再認識し、どの時点の自分の在り様が影響しているのか、それはどんな意味を持っているのか、改めるべきなのか、改めるとしたらどんな方法があるのか、を、熟考することです。
例えば、『自分のミスを上司に叱責され、ついかッとなって言い返してしまった』ことへ反省する場合。
- 上司も言い過ぎだと思うが、ミスをしてしまったのは自分なのだ
- そのミスも、全部が自分のせいではないけれど、もっと注意出来る部分はあった
- つい言い返しちゃったけど、指摘された内容はその通りだから受け止めよう
のような反応になります。
2.「自責」とは
自分で自分の過ちを責めること
自分に(必要以上の)責任があると考えること
<参考>自責思考…自分自身に、物事の原因や理由があると考える傾向
のことです。
あまり嬉しくないアクシデントや状況に対して、詳細を吟味することなく「全部自分が悪い、自分が何とかしなければいけないのに出来なかった」と、原因も理由も責任もすべて自分に求めてしまう傾向のことです。
振り返ることなく、ほぼ反射的に「全部自分の責任だ」と考えてしまうため、本来はそうではないことまで抱え込もうとします。しかし当然ながら自分の手に負えない問題も含まれるので、同じ状況が起きた時にやはり対処しきれず、望まない結果を招き、また「自分が悪い」と責めてしまいます。
上記と同じ事例で考えると、
- 自分が全部悪い。上司があんなキツい言い方をするのも全ては自分のせいなのだ
- それなのに言い返すなんて、自分はなんて無責任な人間なんだろう
と考えてしまいます。
状況分析ではなく、自分で自分の人格批判を始めてしまいます。
そもそものが人格の問題ではないところにそれを当てはめてしまうと、根本解決には至りません。
万が一人格のせいだとしても、そう簡単に変えられるものではありませんから、近い将来同じことに取り組んでも同じ結果になってしまうことは目に見えています。
3.反省と自責の違い
一見似たように見える反省と自責ですが、比べてみると方向性は正反対です。
【反省】は、正しいか間違っているか、良かったか悪かったか、を、冷静に分析してから評価する
【自責】は、検討することなく、「全部自分の責任だ」と決めつける
【反省】は、分析してから評価を下すので、「Aは間違っていなかった。でもBはやり方を変える必要がある」のように、要素毎に分けて考えられる
【自責】は、全部ひとまとめで「自分がダメだったから」と思ってしまう
【反省】は、「次はこうしよう」という、次善策や改善策へ繋がる
【自責】は、自分を責め続けてしまうので、次も同じことをする。または何もしなくなってしまう
ネガティブな結果を受け容れるところまでは同じなのですが、その後の理解の仕方や将来への繋げ方が全く違うのです。
4.自分の将来に得になるのはどっち?
反省が良いことで自責が悪いこと、ということではありません。
自責する、ということは、まずは自分の責任んを受け入れる力がある、ということです。
反省した結果、自分の責任を受け入れられなければ、本来すべきだったやり方を身に着けることは出来ません。
反省した結果、まるっと自分の責任だった、という結果になることも無くはないでしょう。
しかしその時も、「では次はどうしたらいいか」という問いへつなげられるかどうか、がポイントになります。
反省するか、自責するか。
どちらを取るとしても大事なのは「自分の将来に得になる方法は?」という判断基準です。
得、とは、楽をしたり物品を得ることではありません。
経験を学びに転化できることです。
むやみに自分だけを責めることなく、自分の責任は受け止める。
そのさじ加減が大事ですね。