嫌なことを忘れたい
今日、星占い(かに座です)を見たら「心を鍛えよう」と出てました。
はて、心を「鍛える」とは?
体のトレーニングのように? でも心は目に見えませんから、「正しい方法」か、「どこまで鍛えられたか」を鏡に映すことは出来ないし、数値で計測することも出来ません。
心を鍛えるとは、柔軟性を高めること、と考えるのは如何でしょう。
1.メンタルタフネスとは
似た言葉で「メンタルタフネス」があります。
- プレッシャーに負けない
- 急場に強い
- 他者の批判に対抗できる
- 常にポジティブな状態を保つ
みたいなイメージがあると思います。
しかし、この状態を24時間ずっとキープ出来ているか、というと、それは難しいでしょう。
プレッシャーが24時間かかり続ければ、どんな人だって心身に悪い影響が出ます。
プレッシャーに打ち勝つなら、プレッシャーがかからない状態で自分を休ませる必要があります。
メンタルがタフな人とは、常にタフでいるわけではなく、必要な時にタフネスを発揮できるように下準備が出来ている人、のことです。
2.心の強さは「堅さ」ではなく「柔軟性」
心を鍛える、というと、普通の人では耐えられないようなストレスやプレッシャーの中でじっと我慢してその刺激による辛さに慣れて「不感症」状態になること、と勘違いされやすいです。
つまり、批判、悪意、大きな責任などを「大したことない」と感じることが「タフさ」だと思われています。
確かにこうしたものに対して何も感じない人もいるかもしれませんが、それは何万人に一人、くらいのごく一部の人では。
大企業のトップや、超がつく有名人やスポーツ選手の中にはいるかもしれません。
でも普通の生活をする私たちには必須のスキルではありませんし、身に着けようとすると逆に心が潰されます。
普通の生活をする中でも、プレッシャーやストレス、悪意には晒されます。
普通の生活の中で感じる負荷を対処するための、普通の私たちにでも身に着けられる「心の強さ」が必要です。
それは、負荷に対して不感になることではなく、柔軟にしなやかに対処することなのです。
3.心の柔軟性を高めるには
心の強さ=柔軟性、だとしたら、ではどうやって柔軟性を高めればいいでしょうか。
これも、体の柔軟体操やストレッチをイメージすると分かりやすいかもしれません。
普段動かさないような部位を、ぐーっと伸ばして同じ姿勢をキープしますね。
そして一定時間経ったら楽な姿勢に戻す。キツイ姿勢をキープする時間のほうが短いはずです。
これを、「緊張感」(キツイ姿勢をキープ)と「リラックス」(楽な姿勢)に置き換えて生活してみましょう。
割合としては「緊張2」対「リラックス8」くらいでいいと思います。
リラックスしている状態とは、気持ちが楽な状態でも出来ることをやって過ごすことです。
寝たりお茶したり休憩したり趣味をやる、というだけでなく、深呼吸や散歩、単純な手作業などもいいですね。
特別な配慮や思考力を必要としない作業は、心がゆったりして副交感神経が優位になります。
何か配慮や思考力が必要な作業をしなければいけないとしたら、シングルタスクで取り組みましょう。マルチタスクはストレスの源です。
そしてリラックスの合間に、時々緊張感を持たせるタスクを挟み込みましょう。
家族と将来についての大事な話をする、初めて話す人に電話を掛ける、大人数の前で発表する、病院に検査結果を聞きに行く、町内会の話し合いに参加する、など。
これらは生きていく上で避けて通れません。しかし毎日長時間繰り返していれば必ず心身に負の影響を与えます。
慣れれば大丈夫、というのは、悪い負荷ではない時だけ通用する理屈です。自分が「しんどい、辛い、逃げたい」と思っていることには通用しません。
やりたくないけれどやらなければいけないことは、リラックス作業のすき間に入れ込みましょう。終わったら必ずまたリラックス作業に戻りましょう。
繰り返すことで、「慣れ」ではなく「成功体験」が積み重なります。
「しんどいけどやれば出来る」と自分を信じられて、必要な時に必要な力を発揮できることが、心の柔軟性を高めてくれるのです。
4.心は動かすことが大事
体もですが、心も動かさないでいると固く強張ってしまい、いざという時に必要な働きが出来ません。
運動不足のお父さんが子どもの運動会で全力疾走して肉離れになるのは当然なのです。
心が動く、とは、普段の小さな気づきの中で無数に体験できます。
- 朝起きて家族に「おはよう」と言う。
- 出掛ける家族に「気を付けていってらっしゃい」と声をかける。
- 休憩時間に淹れたコーヒーがいい香りがした。
- 夕食が上手に作れて家族に「美味しいね」と言ってもらえた。
- 寝る前の入浴で、汗を流してさっぱり出来た。
当たり前のことに一つ一つ感情が動くことが、心を動かすことです。
頭痛予防で首回りのストレッチを習慣化するのと同じです。
普通の私たちが毎日のプレッシャーに潰されないためには、小さな習慣に心を動かし続け、心の柔軟性を保つことで対処していけるのです。