戦うだけが全てじゃない:心の逃げ場を活用する
頑張っているのに、自分では敵を作るつもりなどないのに、周りにいる人が自分と敵対している、自分を否定している、自分に反対している、自分を攻撃してくるように思えてしまうとき。
それはどんな時でしょうか。どうやって自分と周囲に対処すればいいでしょうか。乗り越える方法はあるのでしょうか。
1.周りが敵に見えるときの心理状態
周囲に対しては不安や恐怖があるかもしれません。
人には「所属の欲求」があります。集団でいることで協力し合って不測の事態に対処するためです。
しかし周囲を敵とみなしていては、何かトラブルが起きても自分と協力してくれる可能性は低いのでは、と思ってしまいます。
そればかりか、場合によっては除外されるのでは、真っ先に切り捨てられるのでは、とも考えます。
そしてどうしてこのような状況、心境になってしまったのか、という怒りも湧いてきます。
自分の仲間が無い、と、孤独感も感じてしまうでしょう。
周りが敵に見えてしまう、その理由が特にないからこそ、対処のしようがなく、ただ耐えるしかないと思ってしまいます。
2.自分自身を責めてしまう
普通に考えれば周り中が敵、ということはありえません。
それでも当人の心の中でそう思ってしまえば、不安や恐怖、疎外感、孤独感は現実として存在します。
理由は分からないのに感情は感じる。
その感情から解放されたいのに、理由が分からないから逃れる方法も思いつかない。
行きつく先は自己批判です。
「よくわからないけど、きっと自分が悪いのだ」
と、「仮」の原因を自分に決めてしまうのです。
すると、そこからは怒涛の反省、批判、罪悪感、後悔が襲ってきます。
周囲が敵に思えてしまうことによる不安や怒りに追い打ちをかけるわけですから、長く続けばそれだけメンタルが損なわれていってしまいます。
3.どうやって「敵」から逃れる?
①自分のホームに戻る
周囲が敵だらけ、と感じるなら、そこは「敵地」なわけです。
でしたら、自分の「ホームグラウンド」へ戻りましょう。
現実の家、自宅ということもあれば、自分が安心できる人たちの集団へ戻ることもありますし、心が安心できる状態を保つことも「ホーム」といえるかもしれません。
②敵と感じてしまう相手・場所・状況の共通点
どんな時に「周り中敵だらけ」と感じてしまうか、を分析することも必要でしょう。
電車の中、飲み会、サークル、職場、町内会、または家族、友人など。
例えば「昔の自分」を知っている人に囲まれていると周りがみんな敵に見えてしまう場合、「昔の自分」がどうだったか、その時何があったか、に、解決策のヒントが隠れているかもしれません。
③極度のストレス状態にある
周囲が敵に見えてしまうのは、本当にこちらを攻撃したり阻害しているわけではないのに、極度なストレス状態にあるせいで普通のコミュニケーションや言動に過敏に反応してしまっている、という場合もあります。
例えば仕事上の理由で隣の席の人には声をかけたのに、自分には何も言わずに通り過ぎた場合。
過敏になっていると「自分は嫌われている、話しかけたくないと思われている」と判断したりしますが、ただ単にこちらに用が無かっただけ、という可能性は高いです。
ストレス、疲労、健康状態などをチェックしてみましょう。
④自分が思う「敵ではない人」とはどんな人?
逆に「敵ではない」とはどんな状態か、を考えてみましょう。
積極的に褒めたり励ましたり声かけしたり集まりに誘ったりしてくれる人でしょうか。
確かにそういう接し方をしてくれる人はありがたいですが、そんな人ばかりとは限りません。
冷静に「敵」と「味方」を対比してみることで、実は「敵」はほとんどいないことに気づけるかもしれません。
4.うつ病とハラスメントは要注意
周りがみんな敵に見えてしまうのは、見方の問題だったり自分の抱えている他の問題が影響していることもありますが、長く悩み続ければうつ病など追い込まれた状態を招きかねません。普段と違う状態が2週間続いたら、医療機関を受診しましょう。
また、ハラスメントなど、本当に危害を加える存在がいる可能性もゼロではありません。
今は管理者向けにハラスメント防止のためのセミナーがあちこちで開催されているので、パワハラやセクハラについての知識も広まっていますが、それは一般社員も同様に知っておく必要があるでしょう。
ハラスメントだった場合は自分を責めるのではなく、しかるべき社内外の機関や専門家に相談しましょう。
≪オンラインカウンセリング 惠然庵≫
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