仕事でうつにならないために ②モチベーション

テーマ:自己啓発

仕事でうつにならないために ②モチベーション

今回は、仕事うつ防止対策の2つ目、「モチベーション」についてです。

キャリアへの意欲・モチベーションを考える時、職業選択の時点でどうするか、という考え方は多方面で論じられていますが、既に職業についている場合、職業選択に視点を置くと「転職」という選択肢しかなくなってしまいます。それは多くの方にとって現実的ではないと思います。

今回のブログでは、現在の職業・業務・作業に対するモチベーションが低いまま働き続けることが、うつ病へのリスクを高める可能性がある、という前提で、それへの対処方法を考えてみました。

対策① 今の仕事に就いた理由を思い出す

そもそも今の仕事を始めた理由は何でしょうか。
仕事は、好き・得意だけで出来るものではありません。
個人的な事情、家庭の事情、更に社会経済情勢等も関係して、その中でその時点での自分にとってベターな選択をした結果だと思います。
心理学では「文脈」といいます。
入社時点の自分を思い出してみると、目の前の仕事を「やるべき理由」を思い出して、モチベーションが上がるかもしれません。

対策② 今の仕事を分析してみる

仕事とは、数多くの「作業」の塊です。
例えば「営業職」の場合。
月間・四半期・年間目標に対して個人のタスクを割り出し、新規顧客開拓、既存顧客対応、新規提案、新しい自社商品・サービスについての勉強、見積・請求書等の作成、報告書作成、社内・部署の会議、チームでの打ち合わせ、客先訪問、競合分析……。
ざっくり想像しただけでかなり多岐にわたりますね。

この中で、
・モチベーション高く出来る作業
・モチベーションが上がらない作業
に分けられると思います。

「モチベーション高く出来る作業」の共通点を探して見ましょう。
そこに、自分の強みや、「やる気の種」が隠れています。
今後新しい仕事が増える時、選べる時に、どれを選択すればいいかのポイントになります。

対策③ 自分の生活全体を考察し「仕事」の役割を再考

働いていると仕事の比重が大きくなりがちですが、「生活」もっというと「人生」は、仕事だけで構成されているわけではありません。

「ハンセンの4L」に沿って考えてみましょう。

仕事(Labor)
本業・副業問わず、収入を得る活動
愛(Love)
家事、育児、介護、ペットの世話など、大切な存在と過ごすため時間
学習(Learning)
読書、通信教育、セミナー参加などの自己啓発
余暇(Leisure)
趣味、ボランティア、地域の活動など、他の3つに当てはまらない活動
(出典:https://nanaseforlife.com/sunnyhansen/


仕事に重点を置くのもいいでしょう。しかし、そうでない人もいると思います。
そうでない場合も、「仕事はバリバリやる気満々で取り組まなければならない」と思い込み過ぎるのはストレス源となりかねません。

例えば週末いっぱい使って趣味に没頭することが生きがいの人なら、仕事はそのための糧を得る手段、と割り切ってしまうことで、仕事へのモチベーションアップという「脅迫」から逃れられます。
家族を大事にしたいなら、仕事はそのものよりも、「家族の生活を支える役割」を果たすための手段、として捉えるほうが、気が乗らない作業にも割り切って取り組むことが出来るかもしれません。

自分の生活(人生)の主軸を作り、「仕事」の立ち位置を捉え直すことで、自分なりの仕事へのモチベーションの持ち方が見つかるかもしれません。

対策④ モチベーションがあがる環境を知る

モチベーションは、自分の気持ちだけで上下・増減するものではありません。
自分が「よしやろう」と思えるための、外部環境とはどのようなものか、を考えることも有効です。

  • 一緒に働くメンバー、上司、部下
  • ハード面(オフィス環境、通勤経路・手段、仕事で使う道具・ソフト)
  • 時間、時期、季節
  • 仕事に対する権限をどれくらい与えられているか


などです。
自分が「この作業は楽しい、やる気が出る」と感じるものをヒントに出来ます。
そして分かった「快適環境」を、「モチベーションが上がらない作業」にも可能な個所で適用してみると、精神的負担が軽減されるかもしれません。

対策⑤ モチベーションが上がらない仕事こそ「手抜き」を工夫す

どの仕事も万遍なく同じように張り切ることなど、どだい無理な話です。
仕事に限らず、家事でも人間関係でも、苦手なことややる気になれないものはたくさんあります。
やらなければならないもの、こそ、モチベーションが上がらなかったりします。

そういう仕事は、手抜きを工夫する場、と捉えるのはどうでしょうか。
同じ結果なら、間で頑張り過ぎないほうが得です。自分が得をした、と思えればいいのですから。

とある舞台女優さんが、『演出家の先生がこっちを見てるときだけ必死で踊った』というお話をしていました。そういうメリハリは、ズルでも怠けでもなく、工夫だと思います。

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1点だけ注意していただきたいのが、「モチベーション(やる気)が上がらない」のと、「ストレスを感じている」のは別物だ、ということです。
ストレスは溜まりすぎると身体症状に現れます。
夜眠れない、朝起きられない、食欲がない、体の動きが遅くなった、頭が働かない、集中力が下がった、など。
こうした症状を自覚した時は、モチベーションの問題ではありません。
専門医または専門家に相談しましょう。

次回は「適性」について考えたいと思います。
よろしくお願いします!

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西岡惠美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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