心の免疫機能

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:心の保ち方

心の免疫機能

免疫力、とか、免疫機能、は体の健康にとって非常に大事です。
免疫力がアップする、と言われる食物やサプリを意識して摂取する人は多いでしょう。

体にも免疫機能があれば、心にもあります。
心の免疫機能とは、具体的には何でしょうか?

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1.「免疫」とは?

免疫とは、体内の異常な細胞を検知して、それを減らしたり殺したりすることで体を病気から守るシステムです。

免疫には2種類あります。
一つは「自然免疫」。常に体内を監視して、外部から良くないものが侵入した時に排除します。
リンパ球に含まれる「NK細胞」などです。

もう一つは「獲得免疫」一度体内に侵入した病検体の情報を記憶することができ、再度侵入してきた時に素早く対処へ向かいます。
一度罹った病に対して「免疫が出来る」というのはこの獲得免疫の働きのことです。

こうした免疫細胞の働きを活性化する方法が、最近はとても注目されていて、乳製品や発酵食品などが人気ですよね。

2.免疫機能を「心」に転用すると?

同じように心にも免疫機能が働いています。

自然免疫は、先天性の、生まれた時から人間の体に備わっている免疫機能です。
心に例えると、持って生まれた性格や特性、生活環境、活動環境などが相当するでしょう。

獲得免疫は後天性です。ですから生まれた後、成長してく中での経験や学習結果によって得たスキルや知識に相当します。

どちらも後から増やすことが出来るものです。

3.心の免疫が正常に働くと?

何も無い時には免疫機能の果たす役割には無頓着です。
体ですらそうなのですから、目に見えない心は更に気づきにくいものです。

しかし、「健康になる」以前の「病気にならない」ためには、防御力である免疫が正しく働いてくれることが一番です。

では、心の免疫機能が正しく働くと、どんな状態に表れるのでしょうか。

①必要以上のストレスを作り出さない

ストレスにも2種類あります。精神活動を活性化してくれる「良いストレス」と、心身の健康に害を及ぼす「悪いストレス」です。
ストレッサーに対する反応を大きくしすぎると、心身のバランスを崩す原因となります。悪いストレスです。
しかし免疫機能が正しく働いていると、ストレス反応を必要以上に大きくせず、必要最低限の刺激として処理することが出来ます。

②対処スキルが作動する

特に獲得免疫の「経験・学習効果」によるものになります。
過去に経験した事象で、自分がどのように対処したかを記憶しておくことができれば、似たような状況に対して未来予測が可能になります。
未来がなんとなくでも予測出来れば、必要な行動を取ることが可能になります。

③環境を利用できる

日々起きる出来事や問題に対して、自分の忍耐や努力だけで対処するのは限界があります。
自分にとって必要な外部環境や道具を揃えておくことが出来れば、そうしたものを利用することが出来ます。

モノに限らず、相談できる人、頼れる人・機関も同様です。
何かあった時はあの人に相談しよう、と思える相手がいることで、実際に相談に至らなかったとしても、気持ちが楽になったり何かに挑戦することが出来る場合があります。

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体の病気と同じく、心も「予防」によって守ることは大事です。
しかし心の予防は、行き過ぎることで行動が制限されたり経験から回避することで、目的から遠ざかったり幸運を取り逃がすことにもつながります。

まずは心の免疫機能を高めて、「何かあっても大丈夫、何とか出来る」と考えることで、重要な行動や経験を避けることなく向き合っていきましょう。

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