【経験談①】初めて夫のうつ病を疑ったとき

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:うつケア経験談

うつケア体験談①


少し自分の経験談を話していこうと思います。夫がうつ病になった時のことです。
かなり不格好な経験ばかりですが、悩んでいる方の何かのお役に立てれば幸いです。

【兆候① 働きすぎ】

当時、夫は部署異動をして、夜中まで仕事をしていることが多かったです。
会社で作業をしていることもあれば、新しい技術(エンジニアでしたので)を勉強するため、自宅に環境を作って(自前で)、フリーのソフトをダウンロードしてあれこれ試していたそうです。
ただ、まだその時は結婚していなかったので同居していなかったこと、それ以前から朝寝坊タイプだったため、本人がたまに口にする「徹夜しちゃった」という言葉を大きく受け止めることはありませんでした。
大変だなぁ、くらいで、流してました。

【兆候② 原因不明の頭痛】

何度かあったそうですが、目の前がちかちかして立っていられないくらいの頭痛に襲われたそうです。
初めて経験した時は、たまたま夫の実家の近くだったそうで、仕事は早退扱いにしてもらって実家に行って休んだそうです。
あまり実家に近寄らない夫が、自ら行くくらいですから、他の選択肢を考える余裕もなかったのでしょう。
その後同じような頭痛が数回ありました。私がいる時にも1回ありました。
あまりにひどいそうなので、総合病院の脳外科に行きました。CTスキャンもMRIもやりました。でも異常はありませんでした。
偏頭痛用の薬も処方してもらいましたが、効かなかったそうです。

【兆候③ 「会社が怖い」】

今思えば、兆候どころかはっきりと「うつ病を疑え」というサインでした。
でも私は気づきませんでした。
その頃、私の父が入院していました。その退院日で、私は会社を休んで家族と迎えに行っていました。
その時に、夫から「会社が怖い」というメールが入ってきたのです。
何を言われているのか、さっぱりわかりませんでした。どう返していいのかも。
とりあえず仕事には行っているようだったので、「頑張ってね」くらいしか言わなかったと思います。

【その後】

③の数カ月後に結婚、同居を始めました。
引っ越しや入籍の手続き、結婚式の準備などでバタバタしていたので、お互い少し忘れていた、気が紛れていたのでしょう、暫くは何もなかったと記憶しています。
そして突如、本当に会社に行けなくなりました。
よく不登校の子が「原因不明の腹痛」になるって聞きますよね。まさにそれです。嘘でも演技でもなく、腹痛で動けなくなってました。

欠勤せざるをえず、暫くして上司から産業医との面談を勧められ、抑うつ状態と言われました。
指示されるままに別の心療内科に行って、正式(?)に抑うつ→うつ病の診断を受け、診断書を書いてもらい、半年の休職に入りました。

----------------------------------------------

ここまで来てやっと、私も夫も「うつ病」であることをはっきりと自覚しました。自覚しただけで、知識はほぼ無かったのですが。
既にかなり悪化していたので、一人では病院に行けないくらいでした。

なぜうつ病になったのか、というと、理由は多岐に渡るでしょう。ただ、
・異動
・結婚
という環境の変化が、きっかけになっていたのでは、と、考えています。

≪結論≫

うつ病のきっかけがあっても、すぐに症状が現れるわけではない。
そしてきっかけは、一見それらしく見えないことがある。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

西岡惠美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

精神障害者とケアする人を支えるライフカウンセラー

西岡惠美子プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼