英検1級道場-合格レベルを目指す単語学習 further と fartherの違いについて

山中昇

山中昇

テーマ:単語力向上のために

元受講者から下記の質問がありました

「台湾は沖縄より南に位置している」の英訳文で、「Taiwan is further south than Okinawa」と英字新聞に出ていたが、ここは台湾の地理的な位置についての話なので、furtherではなく、fartherではないか?

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「further」と「farther」の使い分けについて辞書、英文法書、英語解説記事などを調べ、AIにも聞いてみました

ポイントを整理しました
・further: 「程度」や「抽象的な距離」を表す際に使用される。例えば、議論や進行状況など
・farther: 「物理的な距離」を表す際に使用される

・質問を厳密に考えると、「物理的な距離」の文脈なので「farther」を使うほうが伝統的な使い方に沿っている

・ただし、現在では、further と farther は多くの場合、ほぼ同義に使われることが増えている
・further は距離を表す文脈でも広く用いられており、違和感なく受け入れられることが一般的

・英字新聞が「further」を使った理由として下記が考えられる
 ・further のほうが「より一般的・柔軟な表現」として使われる傾向がある
 ・ネイティブスピーカーの間で、両者の区別があまり意識されていない場合が多い
 ・今回の場合、どちらを使っても意味の上では誤解が生じないため、より自然な選択として「further」を使った

例文での比較
Farther を使った例:
Taiwan is farther south than Okinawa. (距離を重視する表現)

Further を使った例:
Taiwan is further south than Okinawa. (伝統的な区別に関わらず、多くの人が自然に受け入れる表現)

どちらも文法的に間違いではないが、伝統的な文法に基づく厳密さを追求するなら、「farther」のほうが適切と考えることもできる

結論
・新聞が「further」を選んだ理由は、広く受け入れられる自然な表現としての使いやすさにあると思われる
・一方で、「farther」を使うほうが伝統的なルールに忠実であり、距離のニュアンスをより強調する選択です。

英検1級道場では、単語の微妙な違いにも着目し、伝統的な使い方だけでなく、最近の傾向を反映した使い方もマスターしていきます
「言葉は生き物」であり、常に変化しています

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山中昇
専門家

山中昇(英語講師)

英検一級道場

英検1級1次・2次試験合わせて通算87回合格という実績と経験を生かし、朝7時から夜10時までオンライン(zoom)マンツーマンでの英語レッスン。年齢・場所不問、世界中に受講生あり。オフ通いも可能。

山中昇プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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