英検1級道場-受講者と昼食しながら懇談しました
必要は発明の母という言葉がありますが、その通りだと感じた例があります。
テレビのニュースで、イギリス軍がウクライナ兵2万人を呼んで訓練をしているとの報道がありました。
その中で、イギリス軍が大口径(155ミリ)の自走砲を供与すべく訓練しているシーンが目に飛び込んできました。
この自走砲は、80年前、第二次大戦中にドイツ軍が開発して戦線に投入したものと見た目がそっくりです。
もちろん、今のものは、大砲の口径が大きく、破壊力は比べ物になりません。
装甲もはるかに頑丈で、電子機器も豊富に使っているので、同列には論じられません。
しかし、私が驚いたのは、基本設計が似ている点です。
言い換えれば、戦闘車両は、技術進歩による性能向上はあっても、その基本設計は第二次大戦中にほぼ完成されたような印象があります。
国家の存亡を賭けた戦争の中で、敵の兵力を倒さなければならないという必要から、優秀な兵器が開発されています。
この点からすると、第二次大戦終了から78年経ちますが、世界規模の戦争が起こらず、人類は、それまでの歴史と比べて相対的に平和な時代を過ごしたということかもしれません。朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争------数え上げれば枚挙にいとまはありませんが、世界大戦はありませんでした。その分、国家の存亡を賭けた通常兵器の開発も進まなかったと言えるのかもしれません。そのことは人類にとって良かったと思います。
とは言っても、これは通常兵器の話であり、原水爆、サイバー戦争は別の話です。
ウクライナの戦争は、「平和ボケ」と自分自身を揶揄してきた日本人のもの考え方にも大きなインパクトを与えたと思います。
日本国憲法は「平和憲法」と呼ばれ、しっかりと守らねばならないすばらしい条項に満ち溢れています。
国際紛争解決の手段として軍事力を使わないという考え方も私は賛成です。
問題は、第2章第9条は、明確に「自衛権」も否定していることです。これは、素直に読めば、小学生でもわかることです。
ウクライナは自衛のための戦争をしており、大多数の日本人もこれを支持しています。
国際法でも、自衛のための戦争、国連安保理が承認した戦争は認めています。
このような観点で憲法について議論する人が増えていることを、私は喜ばしいと感じています。
英検2次試験の過去問でも、Is there any justifiable war? というトピックが出たことがあります。英作文も含めて準備しておきましょう