英検1級道場ー日本語と英語は発想が違う、その一例を紹介します

山中昇

山中昇

テーマ:道場のレッスンはこんな感じです

英語と日本語は違います。
単語が違うという意味ではありません。
英語と日本語は、表現することにおいての発想法が違うのです。
その一例をここで紹介します。

リスニング教材『英検1級リスニング問題完全制覇』(発行:ジャパンタイムズ社)の中にある例文です。

この書籍の中にあるパート②、Track080に下記の英文があります。

-----William T.G. Morton, a young dentist from Boston, administered a liquid mixture called diethyl ether to perform a painful dental extraction

この文章は人類と麻酔との関わりの歴史について書かれたものです。
アルコールや阿片の使用に始まり、1846年9月30日にボストンの歯科医が液体の麻酔薬を使い、患者が痛みを感じないようにして抜歯手術を初めて成功させたという内容です。

しかしながら、英文ではa painful dental extracrionという言葉で、「痛みのある手術」を行ったと読み取れます。
放送を聞いたときに意味は理解できたのですが、なんとなく違和感がありました。
あらためてテキストを見ると違和感を感じた理由がわかりました。

日本人の私から見ると、painfulという表現はdental extracrion=抜歯に掛かっている形容詞ではないか、と思われるわけです。
つまり、わざわざ痛い抜歯手術をしてどうするのだ? 麻酔は、痛くないように抜歯するためのものだろう?
こういう発想です

このように、当たり前の話ではありますが、日本語と英語は全く異なる言語なので、発想法を変えないと理解できないことが多々あります。

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先日、invaluableという単語についても記述しました。「価値が無い」と単純に訳してはいけないという話です。
詳細は下記をクリックしてご覧ください。
https://mbp-japan.com/chiba/eiken/column/5123019/

私がレッスンで日ごろ強調していることですが、日本語と英語の単語を単純に置き換えても意味がないのだということの証明でもあります。

因みに、上記参考書は、CELの佐野先生が中心になって編集されています。
私は毎月1回欠かさず、佐野先生のリスニングセミナー「聞き耳クラブ」にオンライン参加し、いつも多くのことを学んでいます。

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山中昇
専門家

山中昇(英語講師)

英検一級道場

英検1級1次・2次試験合わせて通算87回合格という実績と経験を生かし、朝7時から夜10時までオンライン(zoom)マンツーマンでの英語レッスン。年齢・場所不問、世界中に受講生あり。オフ通いも可能。

山中昇プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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