英検1級道場-格好悪く、不都合な自分と直面することが成長のための第一歩です
受講生から英文法について説明してほしいと言われました。
名詞節、副詞節、関係代名詞、関係副詞、同格といった内容です。
私は日頃から文法については一切説明しないので乗り気ではなかったのですが、ホコリをかぶっていた文法書を引っ張り出し、同格のページを見ながら説明しました。そうすると、3人の受講生からそれは違うのではないかと指摘を受けました。
私は、「そんなことはない、文法書に書いてある」と言って文法書のコピーを送りました。ただよくよく文法書を読んでみると、関係代名詞の that のところで、「that には関係代名詞と同格というものがあって紛らわしいが、分けてきっちり説明したり理解する必要がある」と書いてあります。
英文を解釈する上で、that で示すものは「関係代名詞」と呼ぼうが「同格」と呼ぼうが理解に支障はないのですが、学校ではそのような習い方をするので受講者にはきっちりと説明する必要があります。
めったにやったことのない、文法書を約10ページですが、徹底的に読み込むことによってさまざまが発見がありました。
例えば、私は S+V +that S+V+O の形をとるthatを接続詞のthat と呼び、名詞that 述語動詞(他の形もありますが)の形をとるthatを関係代名詞と呼んでいます。
しかしながら、文法書には元々の2つの文章であったものを繋いで一つにしているので、関係代名詞のthatは接続詞と呼んで差し支えないという意味のことが書いてあります。
元々2つの文章であったものをひとつにつなぐという点では、私が関係代名詞と呼んでいるthatも、接続詞と呼んでいるthatも同じ役割を果たしています。
いずれにしても、今回新たに認識したことを箇条書きにします。
1.文法書を使って英語を勉強するというやり方は、これまでもしてこなかったし、人にも勧めてこなかったが、今後もこの姿勢で問題はない。
2.現実に使われている文章や用例で勉強すること、英検でいうと大問1の単語問題、大問2,3の読解問題、またリスニング問題のテキストを使って英文を理解する方法で問題はない。ただし、英語の基本構造やthat などの使い方などについて、時に応じて英文法書を紐解き、認識を新たにすることは価値がある。
3. 文法書を読むと見慣れないややこしい固い表現が多く、何を言っているのかよくわからない。私もそうでしたが、文法書を読むと英語がいっぺんに嫌いになりそうなので、文法書は本当に必要な時しか読まない。学校の先生方には文法書に書いてあるわけのわからない日本語で生徒に説明するのではなく、実際の用例を使ってわかりやすく説明をしてほしいし、私もそれをしていく。目的格を伴う主格がどうのこうのと言われてもピンとこないし、わからなくなる。
ちなみに、私は一例として次のような言い回しで受講生にわかりやすく説明することを心がけています。
文法書の記述
形容詞の中に数字が含まれている場合、単数扱いにする。
私の説明
次の2つを書いてください。
Chiko chan is five years old.
Chiko chan is a five- year-old girl.
これで覚えてください。
5歳というのはどんな女の子か(何歳か)を説明しているのでこういう時には5歳という複数であっても、Sはつけないないんだよ
five-year-old のように ハイフンがつくのは、fiveと yearと oldが一塊の意味なのでバラバラにならないようにつないでいるんだよ。
このように説明すると、全員たちどころに理解してくれます。
私はすかさずチコちゃん人形を出し、「この2つの文章を言えないと、チコちゃんに叱られるよ」と言います。
自分でもわかりやすく、聞く方もわかりやすく説明し、英語嫌いをなくす、すなわち楽しく英語を勉強するということが大事だと思います。不勉強を恥ながら、そんなことを考えていました。