「この品だけは残したい」――入居者の思いを、契約・更新時に聞いておく

おはようございます。全花連の花輪隆俊です。
写真は、実際に居室内死亡事故があったお部屋です。
残された寝具や衣類、生活用品。
ここで一人の方が暮らしておられたことが伝わってきます。
この方の生前の様子や、ご家族との関係を、私は写真だけで語ることはできません。
今日は、この写真をきっかけに、特殊清掃や消臭の仕事で大切にしたいことをお話しします。特定のご遺族の体験や言葉を記したものではありません。
大切な人が亡くなると、その最期を知った日のことが、心に強く残ることがあると思います。
いつもの暮らしが、突然途切れたこと。
もう電話をかけても、声が返ってこないこと。
これからのお部屋のことを、考えなければならないこと。
もし、そのお部屋に強い臭いが残っていたら。
持ち帰りたい物を確かめることさえ、難しく感じるかもしれません。部屋のことを思い浮かべるたびに、悲しい出来事が先に浮かぶこともあるでしょう。
私は、その方が生きていた長い時間にも、心を向けられるようなお手伝いをしたいと思っています。
好きだった食べ物。
何度も聞いた話。
笑ったときの顔。
一緒に過ごした、何でもない一日。
人の一生には、最期の日までに積み重ねた、たくさんの時間があります。
亡くなった日のことに加えて、生きていた日のことも、話せるように。
そのために、私たちの技術が役立ってほしいのです。
全花連が用いる花輪式完全消臭は、特許第7298964号「除菌・消臭方法」に基づく技術です。現場の汚染状況を確認し、臭いの原因に対応する施工を行います。施工後には「完全消臭施工証明書」を発行します。必要な作業や修繕の範囲は、お部屋ごとに確認してご説明します。
消臭をしても、大切な人を失った悲しみまで取り除けるわけではありません。
だからこそ、作業が終わったという理由で、ご遺族にも気持ちの区切りを求めるようなことは、したくありません。
すぐに遺品を見たい方。
まだ向き合うのがつらい方。
誰かと一緒なら、確かめられそうだという方。
それぞれのお気持ちを伺いながら、必要な対応を相談して進めたいと思っています。
お部屋をどうするかという現実と、まだ追いつかない気持ち。
その両方を大切にする仕事でありたいのです。
読者の皆さんには、亡くなった大切な方の、どんな姿が浮かびますか。
何か特別なことをしていた姿でしょうか。
それとも、いつもの椅子に座っていた姿でしょうか。
きっと、ほかの人には何でもない場面が、かけがえのない思い出になっていることもあると思います。
その思い出について、いつか落ち着いて話せる時間が訪れてほしい。
私は、お部屋を整える仕事の先に、そのような時間があることを忘れずにいたいと思います。
ここに暮らしていた方を、どんな人だったかと語り合えるように。
一つひとつの現場に、その願いを持って向き合っていきます。
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