「その言葉なら、読んでみたい」――入居者の一言で変わった案内文

「何かあったら言ってね」
おはようございます。
全花連の花輪隆俊です。
大切な人に、そう伝えたことはありませんか。
私にも、心に留めておきたい言葉です。
けれど、その言葉を伝えた後、私たちはどれだけ相手の暮らしを知っているでしょうか。
ご飯は食べられているだろうか。
重い物を運ぶのに、困っていないだろうか。
誰かに頼みたいことを、遠慮して飲み込んでいないだろうか。
写真には、段ボールや袋、生活用品が積み重なったお部屋が写っています。ここで、居室内死亡事故がありました。
ただ、この方がどんな事情を抱え、誰とつながっていたのかは、この写真からは分かりません。
私が考えたいのは、亡くなった方の行動を後から評価することではありません。
いま暮らしている人が、困ったときに頼れる関係を、どうつくっておくか。
それは、私たち自身にも関わる問いだと思います。
元気なときには簡単だった片付けも、体調を崩せば難しくなるかもしれません。仕事や家族のことで精いっぱいになり、自分の暮らしを整える余裕がなくなることもあるでしょう。
そんなとき、誰かに部屋を見せることさえ、ためらってしまうかもしれません。
「こんな状態を見られたら、どう思われるだろう」
もし自分がそう感じていたら、「何かあったら言ってね」という優しい言葉にも、「ありがとう。大丈夫」と答えてしまう気がします。
だから、声のかけ方を、もう少し具体的にできたらと思うのです。
「買い物に行くけれど、何か一緒に買ってこようか」
「困っていることがあれば、一緒に相談先を探そうか」
相手の返事を急がず、断る気持ちも尊重する。
一度断られたからといって、挨拶まで途絶えさせない。
すべてを引き受けることはできなくても、次に話しかけられる関係は残せるかもしれません。
そして、暮らしている間の支えとともに、万一の後の備えも必要です。
全花連安心サービスは、生前の死後事務委任契約を活用し、万一の際のお部屋の整理、特殊清掃・消臭、解約手続きの支援、鍵の返却などに備える仕組みです。導入・維持費はかかりません。利用には紹介代理店契約などの事前の手続きが必要で、実際の対応内容や費用負担は契約・保険等の条件によって異なります。
日々の見守りや生活の支援と、亡くなった後のお部屋への対応。それぞれの役割をつなぎ、入居者さんも、大家さんも、管理会社さんも、抱え込まずに済む住まいを増やしたいと思っています。
この文章を読んで、誰かの顔が浮かんだでしょうか。
しばらく会っていない親。
いつも「大丈夫」と言う友人。
最近、挨拶を交わしていない入居者さん。
今日、連絡をするとしたら、どんな言葉をかけますか。
立派な言葉でなくていいと思います。
「用事はないんだけど、声が聞きたくなって」
そんな一言から、話せることもあるのではないでしょうか。
そして、読んでいるあなた自身が困っているなら、きれいに説明しようとしなくても大丈夫です。
「少し困っている」
その一言を、言える相手がいてほしい。
私は、現場の写真を前に、そのことを考えています。
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