孤独死の特殊清掃で家財保険を使うには? 保険会社へ提出する書類と作業前の注意点

「鍋を火にかけたまま、外へ出ようとした」
「暖房を消したか、本人が覚えていない」
一人暮らしの親に認知症が疑われると、火災への不安が大きくなります。
総務省消防庁によると、住宅火災による死者のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は7割以上です。
本人から火を使う生活をすべて取り上げる前に、住まいの危険を一つずつ減らしましょう。
■1.コンロの周りを片付ける
布巾、紙袋、食品の包装、調味料の容器などを、コンロの近くへ置かないようにします。
袖口へ火が移ることもあるため、調理するときの服装にも注意が必要です。
焦げた鍋が増えた、空だきした跡がある場合は、早めに家族で対応を話し合いましょう。
■2.安全機能のある調理器具を検討する
一定時間がたつと自動で止まるコンロや、過熱を防ぐ機能のある機器があります。
電気を使う調理器具に替えても、必ず安全になるとは限りません。鍋のかけ忘れや、周囲に物を置く危険は残ります。
賃貸住宅で設備を交換するときは、管理会社や大家さんの許可を得てください。
■3.暖房器具の周りに物を置かない
ストーブの近くに、衣類、布団、新聞、洗濯物などを置くと危険です。
給油中にこぼしていないか、古い灯油を使っていないかも確認します。
安全な距離を床へ分かりやすく表示するなど、本人が守りやすい工夫をしましょう。
■4.たばこの状態を確認する
灰皿に吸い殻が多く残っている、布団や畳に焦げた跡がある場合は注意が必要です。
寝たばこは特に危険です。
家族だけで禁煙を強く迫るのではなく、医療機関や地域の相談窓口も利用しながら、安全な方法を考えましょう。
■5.電子レンジや電気ポットも確認する
金属の付いた容器を電子レンジへ入れる、加熱時間を長く設定する、空の電気ポットを加熱するといった間違いが起こる場合があります。
よく使うボタンに目印を付け、簡単な手順を大きな文字で貼る方法もあります。
間違いが続く場合は、使用方法そのものを見直しましょう。
■6.コンセントと電気コードを点検する
延長コードへ多くの家電をつなぐ、コードを束ねたまま使う、コードの上に家具を置くと、発熱や火災につながるおそれがあります。
ほこりがたまったコンセント、曲がったプラグ、傷んだコードがないかも確認してください。
■7.住宅用火災警報器を点検する
住宅用火災警報器は、設置しただけでは安心できません。
点検ボタンやひもで正常に作動するか確認し、設置から長期間たっている場合は交換を検討します。
耳が聞こえにくい方には、光や振動で知らせる機器もあります。
■「火を使うな」ではなく、安全な仕組みをつくる
認知症が疑われる方へ、
「危ないから何も触らないで」
と伝えるだけでは、本人が隠れて火を使ったり、家族の訪問を嫌がったりする可能性があります。
本人の希望を聞きながら、
・家族が確認する曜日
・管理会社への連絡先
・見守りサービス
・調理や暖房を手伝う人
・緊急時の連絡方法
を決めておきましょう。
全花連安心サービスでは、賃貸住宅で万が一の死亡事故が発生した際に、保険の確認、残置物への対応、特殊清掃、特許技術「花輪式完全消臭」、退去手続きなどを一つの窓口で整理します。
事故後の備えと同時に、火災や孤立を防ぐ日頃の見守りを整えることが大切です。
参考:
総務省消防庁「住宅防火対策の推進」
製品評価技術基盤機構「電源コードによる火災事故」
【次回・第77話】
「認知症の親が家に帰れない!行方不明を防ぐため家族が準備したい7つのこと」
散歩へ出たまま戻らない、以前住んでいた家へ向かってしまう――。外出を禁止する前にできる備えと、行方が分からなくなった直後の対応を分かりやすくお伝えします。


