【第65話】入居者が保険証券を提出してくれない!角を立てずに確認する5つの伝え方

「昨年と同じ内容で更新してください」
家財保険の更新案内が届いたとき、内容を確認せずに更新していないでしょうか。
前年と同じ契約が悪いわけではありません。しかし、入居者や建物を取り巻く状況は、少しずつ変化しています。
契約更新は、孤独死などの室内死亡事故への備えを確認する大切な機会です。
■1.緊急連絡先が変わっている
入居時に登録した緊急連絡先が、現在もつながるとは限りません。
電話番号が変わった、親族が転居した、連絡先の方自身が高齢になったという場合があります。
契約更新時には、氏名、続柄、住所、電話番号を確認しましょう。
可能であれば、本人の同意を得たうえで複数の連絡先を確認しておくと安心です。
■2.室内の家財が増えている
入居年数が長くなると、家具、衣類、布団、家電などが増えることがあります。
孤独死後の残置物撤去では、荷物の量によって作業人数や車両台数、処分費用が変わります。
全花連では、残置物・遺品整理費用について、50万円以上の補償があるか確認することをおすすめしています。
現在の補償額で足りるか、更新時に見直しましょう。
■3.特殊清掃や完全消臭が含まれていない
「家財保険に加入しているから安心」とは限りません。
火災や水漏れは補償されても、孤独死後の特殊清掃、消臭、床や壁の修繕が対象外となる契約があります。
次の作業が補償に含まれるか確認してください。
・汚染部分の特殊清掃
・室内の消臭
・床や壁の処置
・原状回復
・残置物の撤去
全花連では、特殊清掃・消臭・原状回復費用にも、50万円以上の補償があるかを確認するようおすすめしています。
■4.補償の名前が同じでも内容が異なる
保険証券に「事故対応費用」「原状回復費用」と書かれていても、使える作業や限度額は契約によって異なります。
特殊清掃は対象でも完全消臭は対象外、残置物撤去は対象でも家電の処分費は対象外という場合も考えられます。
日本損害保険協会によると、契約概要には補償内容、主な特約、保険金額などが記載されています。更新案内だけで判断せず、契約概要や注意喚起情報も確認しましょう。
参考:日本損害保険協会「損害保険の契約で使用される書類」
■5.事故後の連絡先が決まっていない
補償が十分でも、事故後に誰へ連絡するか決まっていなければ、対応が止まります。
更新時に、次の連絡先を一枚にまとめておきましょう。
・管理会社と大家さん
・緊急連絡先
・保険会社や代理店
・家賃保証会社
・特殊清掃の相談先
警察の確認が終わる前に室内を片付けたり、保険会社へ連絡せずに作業を始めたりしないことも大切です。
■更新時に「費用」と「手続き」を一緒に備える
保険は、孤独死後に発生する費用への備えです。
しかし、保険だけでは、残された家財を処分する権限や、退去手続きを進める人まで決まりません。
全花連安心サービスでは、死後事務委任に関する契約を入居前や更新時に整えます。万が一の際は全花連が窓口となり、保険確認、残置物への対応、特殊清掃、特許技術「花輪式完全消臭」、退去手続きを順番に進めます。
地域の特殊清掃完全消臭士も本部と連携し、次の入居者を募集できる室内へ戻すことを目指します。
更新書類へ署名する前に、
「緊急連絡先は変わっていないか」
「50万円+50万円の補償があるか」
「事故後に誰が動くのか」
この3点を確認してください。
【次回・第64話】
「家財保険が切れていた!管理会社が更新忘れを防ぐ5つの仕組み」
保険証券の提出だけで安心せず、満期日、更新状況、補償内容をどのように管理すればよいのか。管理会社や大家さんが無理なく続けられる確認方法をお伝えします。


