孤独死が起きた部屋は事故物件になる? 賃貸住宅の告知義務は何年続くのか

「一人暮らしの高齢者から入居の申し込みがあったが、孤独死が心配」
このような理由で、入居を迷う大家さんも少なくありません。
しかし、高齢者だからといって、必ず孤独死が起きるわけではありません。
大切なのは、年齢だけで断ることではなく、入居前に万が一への備えを整えることです。
■1.緊急連絡先を定期的に確認する
入居時に緊急連絡先を書いてもらっても、何年もたつと電話番号が変わったり、連絡先の方が高齢になったりすることがあります。
契約更新時などに、
・氏名
・続柄
・電話番号
・住所
・勤務先
が現在も正しいか確認しましょう。
連絡先は一人だけでなく、可能であれば複数の候補を確認しておくと安心です。
■2.負担の少ない見守りを取り入れる
見守りには、定期的な電話、電気や水道の使用確認、センサー、配食サービスなど、さまざまな方法があります。
大切なのは、入居者を監視することではありません。
本人の同意を得たうえで、生活の負担にならない方法を選びます。
異変へ早く気づくことができれば、命を守れる可能性が高まり、万が一の場合も発見の遅れを防ぐことにつながります。
■3.家財保険の補償内容を確認する
「家財保険に加入しているから安心」とは限りません。
孤独死が起きた後の残置物撤去、特殊清掃、消臭、原状回復が、どこまで補償される契約なのかを確認してください。
全花連では、残置物撤去費用50万円以上、特殊清掃・消臭・原状回復費用50万円以上の補償があるかを確認することをおすすめしています。
保険金額だけではなく、「何の作業に使える補償なのか」を見ることが大切です。
■4.亡くなった後の手続きを決めておく
保険は費用への備えですが、残された家財を処分する権限まで自動的に生まれるわけではありません。
入居者が亡くなった後、相続人と連絡が取れなければ、賃貸借契約の終了や残置物の処理が長期間進まない場合があります。
国土交通省と法務省は、単身高齢者の死亡後に契約の解除や残置物の処理を円滑に進めるため、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を公表しています。国土交通省「残置物の処理等に関するモデル契約条項」
全花連安心サービスでは、死後事務委任に関する契約を入居前に整え、万が一の際に全花連が窓口となって対応します。
■5.特殊清掃の依頼先を決めておく
孤独死が発見されてから、慌てて特殊清掃業者を探すと、料金や作業内容を十分に確認できないまま依頼してしまうことがあります。
事前に、
・全国または地域で対応できるか
・作業前の写真を残すか
・保険用の見積書を作成できるか
・完全消臭まで対応できるか
・臭い戻りへの保証があるか
を確認しておきましょう。
全花連では、特殊清掃から特許技術「花輪式完全消臭」まで対応し、作業後には「特殊清掃完全消臭証明書」を発行しています。
■年齢ではなく、仕組みで備える
高齢者の入居を断り続ければ、空室が長引くこともあります。
緊急連絡先、見守り、保険、死後事務委任、特殊清掃。
この5つを準備することで、大家さんの不安を減らし、高齢者も安心して暮らせる賃貸住宅に近づきます。
これは高齢者だけの問題ではありません。
若い一人暮らしの方にも、病気や事故が起きる可能性があります。年齢に関係なく、すべての単身入居者へ同じ仕組みを整えることが大切です。
【次回・第42話】
「見守りサービスに入っていれば、孤独死後の問題はすべて解決する?」
見守りでできることと、残置物、保険、特殊清掃、死後事務委任など、見守りだけでは対応できないことを分かりやすくお伝えします。


