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現場目線で収益構造を見直し、日本のものづくり企業を元気に

ものづくり企業をトータルで支える経営コンサルタント

奥浩昭

奥浩昭 おくひろあき
奥浩昭 おくひろあき

#chapter1

開発から生産、営業まで各部門の課題解決をワンストップでサポート

 製造業をはじめとした、ものづくり企業に向けた経営コンサルティングを手掛ける「バリューマネジメント」代表取締役の奥浩昭さん。売り上げを伸ばし、コストを低減して、利益の最大化につなげる収益構造の改革を軸に、企業の成長と発展を導きます。

 「ものづくりでは、開発設計や生産・コスト管理・営業など、さまざまなプロセスが複雑に絡み合います。効率的かつ効果的に収益を見直すには、品質や生産性の向上、原価の低減といった各工程の課題に対処し、全体最適化を図ることが重要です」

 独立以前に大手重機メーカーで40年間勤務していた奥さん。開発設計や生産技術など製造部門のほか、営業、経営部門での実務経験も併せ持ち、ワンストップでサポートできることが強みです。
 「現場で培ってきた経験知には自信があります。経営を続ける中で課題は次々生まれるため、どの場面にも対応してくれると重宝がられています」と笑顔を見せます。

 奥さんが、経営の基本とするのは、「PDCAサイクル」。すなわち、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返し、業務改革を続ける仕組みづくりです。
 「PDCAがうまく回る組織は、学び続けられます。働く一人一人のスキルが上がり、組織力の強化や売り上げアップにつながります」

 その上で、顧客価値・企業価値・組織管理という三つのバランスを保ちながら、新たな価値創造を目指します。
 「市場ニーズをつかみ、顧客満足度を高めると同時に、低コスト化や生産性の向上などを創意工夫し、中長期にわたって利益を生み出す企業体質に変えていきます」

#chapter2

大手重機メーカーでの開発設計、経営企画など幅広い領域で豊富な経験

 元来ものづくりが好きで、学生時代には天井クレーンについて研究したという奥さん。大手重機メーカーに入社し、移動式クレーンの開発設計に19年携わりました。
 「営業と共に客先を回ったり、納入現場で実際にクレーンを操作した感想をヒアリングしたり、お客さまの声を取り入れながら、新しいものを生み出すことにやりがいを感じました」

 その後、セールスエンジニアや、欧州のマーケティングなどを担うオランダ駐在員などを経て、経営企画室の室長に。
 「中期経営計画を策定し、組織全体の活性化にも尽力しました。定年退職後に起業を決めたのは、スキルを生かして世に貢献したいとの思いからです」

 これまで、産業機械や医療機器製造業など数多くのコンサルティング実績があります。7年に及ぶ長期サポートを行う、ある金属製品製造企業では、品質や安全の基礎である「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」の徹底化から取り組みました。
 「工場内をきれいに保つだけでなく、PDCAサイクルにより利益も安定化できました。年間の課題方策や中期の経営計画を策定し、設備投資や事業承継など、時々で発生する課題に一つ一つ対処しています」

 また、部門長からの相談に直接乗ったり、コロナ以前は社内の忘年会に参加したりと、現場スタッフとの対話も大事にしています。
 「一方的に知識を伝えるのではなく、伴走型で共にプランを遂行し、成果が形になるまでフォローするのが私の役割です。最終的には自分たちでかじ取りを行える力を養います」

奥浩昭 おくひろあき

#chapter3

時代の変化に対応する「ESG経営」で新たなビジネスチャンスを

 奥さんは、VEリーダーとして研修を行うなど、技術者の教育にも力を入れます。VE(Value Engineering)とは、製品の価値を、機能とコストの関係性から高めていく「価値工学」です。
 「顧客ニーズに応えて機能ばかりを追求しても、価格の折り合いがつかなければ商品として成立しません。コスト意識を持ち、利益を確保してこそ、商品価値が生まれます。技術者が原価計算や原価低減の方法を身に付け、開発に生かせると、企業の競争力は高まります」

 IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの技術革新が進み、ものづくりを取り巻く環境は大きく変わりつつあります。これからの時代を見据えて奥さんが提案するのは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の、三つの要素を重視した「ESG経営」です。
 「CO2排出削減や廃棄物の抑制など、取り組める項目は幅広く、新たな取引先の開拓など、ビジネスチャンスも生まれます。また、取引先や仕入れ先、エンドユーザーと価値観を共有し、一緒にモノを作り上げるという視点に加え、企業が存続し続けるための源である人材開発も今後は必要不可欠になるでしょう」

 時代が変わっても、ものづくりが社会で果たす役割は大きいと力を込める奥さん。
 「製品を待っているお客さまがいる限り、モノを生み出すこと自体が社会に貢献しています。ものづくり企業の成長と発展を支えることが、豊かな社会を実現する一助になればいいですね」と語ります。

(取材年月:2022年8月)

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奥浩昭

ものづくり企業をトータルで支える経営コンサルタント

奥浩昭プロ

経営コンサルタント

株式会社バリューマネジメント

製造業界での40年にわたる幅広い実務経験をもとに、ものづくり企業の収益構造を見直し、成長と発展をバックアップ。PDCAサイクルを軸に、開発や生産、営業など、各部門の課題解決を導き、組織力を高めます。

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