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竹内和美

人づくりを軸に組織の可能性を広げる研修講師

竹内和美(たけうちかずみ) / キャリア形成を支援する研修講師

株式会社オフィス・ウィズ

コラム

育成能力の高さは付加価値としてアピールできます

2023年5月25日

テーマ:人材育成

コラムカテゴリ:ビジネス

人材は育成すべきかという疑問


人材は育成すべきか、それともそれは、個々人のキャリア形成に任せるべきですか?
という質問をいただくことが増えています。

たしかに、キャリアアップに結び付くことばかりではありませんが、
自分が成長できない職場であると思えば、転職するのが当たり前の社会になりました。
そういう面から考えれば、自己成長は自責で行うべきであって、
会社が慮ることではないのかもしれません。

しかし一方で、「人的資本経営」を重視するという考えの元、
企業は、人材の育成や成長に投資することが、企業間競争力を高める手段として必須であることを鑑みれば、
やはり、人の成長に手を添えることは、企業としての課題であるのではないでしょうか?


人材育成力のない管理職の増加に対して打つ手はあるか?


ところで、先の質問は、人材育成力のない管理職が増えており、どういう手を打つべきか、あるいは、自己成長を自責にするか、迷うところからの質問であるようです。

管理職の育成能力の低下の背景を探ると、課題は2つに集約されているようです。
1つは、30代の若手が管理職になる場合、自分も充分成長していない状態で、育ててもらった感覚がない、あるいは、年上の部下の育成に腰が引ける状態にあるということ。
1つは、50代の管理職者においては、見よう見まねで育ってきているので、育てるスキルが何かがわからない。

そして、この両者に共通するもう一つの課題は、「パワハラ」を恐れて、叱ることや指摘することができないことにあるようです。

先日、自己成長を支援するという企業姿勢を見せているにもかかわらず、
学習に必要な道具がないのに、会社に意見を伝えることをあきらめてしまっていたケースに出会いました。
老舗企業で、職場の文化は、「社員は黙々と一生懸命働くことを良しとする」という雰囲気です。
社員が管理職や責任者に自分の意見を伝えることは、阻むべきであるという意識が根強く蔓延っているようです。

代変わりをしてしばらく経ちますが、職場の文化や風土というのは、一瞬にして変わるものではないことに
気づいている管理職の方もいらっしゃるようですが、
多くの方は、自分たちが育った環境の変化に疎いようで、組織が一丸となって新しい職場文化の形成に挑戦できている様子がないようです。

育成能力高い管理者を育成することは、企業の考えにもよりますが、
その能力の高い人を、会社に向かえることもひとつの手段になりますが、
人数が多いわけではないので、やはり、自社で育成する ことが求められるのではないでしょうか?

では、どんな手を打てばよいのか?ということだと思います。
時間がかかる大きな挑戦を始める以外、手段がないように思います。
マネジメント能力が高い人材をいかに育成能力の高さを加えさせていくか。
大きな課題です。
その1歩目は、周りを観察し、言葉にならない声を聴く、洞察力の高さを求めていきましょう。


回りを観察していますか?


変化に対応する器用さを持ち合わせない社員が大勢いることを踏まえて、管理職は、周りを観察して助言をする必要があります。
人の意識というのは、一朝一夕で変化させられるほど柔軟性はありません。
むしろ、例えば、それが他者から見たら劣悪な環境だと思っても、そこは住み心地の良い場所なので、
正常性バイアスに阻まれて、変化を嫌う傾向さえ見せるわけです。

これまでのかかわりの中で、意見を伝えたときに「黙っていなさい」「会社に従いなさい」という無言の圧を受けて、
嫌な気持ちを抱くようなことがあったのかもしれません。
だから、あきらめる のです。

しかし、人材育成力の高い人は、
そういう「人の心情や機微」に配慮することで、信頼の構築を行うことができるのです。
そしてそれは、ハラスメント問題を抱えないようにする回避策でもあります。

人を育成することは、AIやロボットにはできません。
だからこそ、育成力の向上は、人が人らしい価値ある仕事ができる差別化の重要な要素になるのです。

実務の手を止めて、部下やメンバーの心情を窺ってみましょう。
育成は、それら観察力・洞察力を高めた上で、個々の特性を活用して行いましょう。
まずは、データを集めることから始めましょう。

人材育成能力の高さは、人材としての付加価値の高さとしてアピールできる時代です。
ぜひ、能力を磨いて、他に代えがたき人材として活躍してくださいね。


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