母親を施設に入所させる
介護保険の更新案内(更新勧奨通知)を廃止する自治体が増加しており、現場のケアマネジャーに大きな負担と戸惑いが生じています。また、 国が掲げる「切れ目のない支援」という方針に対し、この行政の動きには現場の視点と行政の論理の間に大きなギャップを感じます。ケアマネジャーが自治体に対し不親切さや違和感を抱く背景と、自治体側が廃止を進める理由について考えてみました。
1. ケアマネジャーが「不親切」と感じる理由とリスクマネジメントに対する負担感
万が一更新を忘れて介護保険の認定が失効した場合、利用者は全額自己負担(10割)になる恐れがあり、その管理責任がケアマネジャーに重くのしかかる事となります。また、切れ目のない支援を目指しながら、通知がないことで申請漏れや遅延が起きれば、サービスの一時停止など「切れ目」が生じるリスクが高まります。一方、介護保険サービスを利用していない方やインフォーマル層への配慮不足も否めません。現在、介護保険サービスを使っておらずケアマネジャーがついていない人(独居高齢者など)は、通知が来なければ完全に失効し、いざという時に困窮してしまいます。
2. 自治体(市町村)が案内を廃止する3つの理由
自治体側にも、以下のような「制度上の建前」や「事務的な限界」という理由があります。
①「申請主義」という制度の原則:介護保険は、本来本人や家族が自発的に申請を行う「申請主義」に基づいています。制度開始から20年以上が経過し、更新手続きが定着したと判断されていると感じます。ただ、介護保険の期限を管理している本人や家族はいません。案内があって、はじめて機能する仕組みだと感じます。
②運営基準におけるケアマネの義務:厚生労働省の省令(居宅介護支援等の運営基準)において、ケアマネジャーは「利用者の認定有効期間満了日の30日前までに更新申請が行われるよう必要な援助を行う」ことがすでに義務付けられています。自治体側は「専門職が管理しているため、行政の二重通知は不要」と捉えているのでしょう。
③不要な申請の抑制と自治体の事務コスト削減:通知を送ることで、現在サービスを利用する予定のない人まで「申請しなければならない」と誤解してしまい「お守り」として介護保険証を維持している人は一定数います。そうした状況は審査会が逼迫し認定の遅れを招く原因にもなっています。また、発送にかかる経費や人手の削減も背景にあります。
↑毎日新聞(令和8年8月31日)の記事より
自治体の通知廃止の動きは、ケアマネジャーの業務の専門性を信頼している(依存している)結果とも言えますが、現場への事前の相談や十分な猶予がないまま進むケースが多く、行政の配慮不足という批判は免れないと私は感じます。
一層の事、介護保険の認定期限は初回は1年間で、更新後は無期限にするのはどうか?2回目以降の更新は無しで、区分変更のみにするのはどうでしょう?弊社居宅事業所のミーティングで出た意見です!


