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加藤武範

医療と介護の架け橋になる、リハビリと介護支援の専門家

加藤武範(かとうたけのり) / ケアマネジャー

合同会社福寿想

コラム

孤独死 遭遇

2023年4月29日 公開 / 2023年5月2日更新

テーマ:高齢者 介護 問題

コラムカテゴリ:くらし

お昼過ぎ、Wデイケアの管理者の方から電話がありました。

Wデイ「✕さんをお迎えに行ったのですが、どれだけ自宅の呼び鈴を押しても、携帯に電話しても出てくれません。何か聞いていますか?」
ケアマネ加藤「いや、特に聞いていません。家族さんに連絡してみますね」

娘さんへ電話
娘さん「そうですか…先週、自宅に行きましたが、元気でした。一度見に行ってもらえませんか?」
ケアマネ加藤「わかりました。様子見てきますね」…もうすでに嫌な予感(一人で行くのは微妙と思い、社内で手の空いている職員に声をかけ同行依頼)

自宅はアパ―トです。呼び鈴を鳴らしましたが、無反応。電動車いすで外出される方なのですが、電動車いすは自宅前にあります。✕さんは、要支援2の一人暮らしです。
アパートの裏手はベランダになっています。丁度、✕さんの部屋のカーテンが半分開いています。ベランダに手をかけて背伸びして、部屋の中を伺いました。

ベッドで横向きに眠る✕さんを発見。左肘をつき、左手を上にあげた状態です。

同行した職員にも確認してもらい、「これは、あかんな…」という事になりました。ただ、ベランダと窓越しなので確かな事は言えません。


※アパートはイメージです。実際のアパートとは違います。

娘さんに連絡
娘さん「今すぐ向かいますが、30分はかかります。大家さんに連絡してもらえませんか?警察や救急に連絡するのは、待ってください。寝てるだけかもしれないので…」
大家さん「外出中で、戻るのに1時間かかります」
地域包括支援センターへ連絡
地域包括支援センター担当者「私も行きます」

ここで地域包括支援センターの管理者から電話あり
「死亡の可能性あるから、鍵を開けて、部屋に入らない方が良いよ。先に警察に入ってもらった方が絶対良い。警察より先に部屋に入っちゃうと極端な話、殺人や強盗の可能性を残すことになるから…」

なるほど、ナイスアドバイスです!
娘さんに事情を説明して、警察、救急に連絡する事になりました。
警察、救急が到着し、窓ガラスを割り、本人の死亡を確認。その後、刑事の事情聴取がありました。

発見時は「どうする。どうする」と気持ちばかりが焦り、時間や様子など意外と覚えていないものです。
事情聴取を見据えた記録を取る事、とても大切です。皆さんも参考にしてください。
人助けと思い、むやみに部屋に入ってはダメです!!!

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