高齢者施設 薬で寝たきり

加藤武範

加藤武範

テーマ:高齢者 介護 問題

住宅型有料老人ホームに入所しているBさんの息子さんからの相談です。私は、Bさんのケアマネジャーとして4年ほど支援させて頂いています。Bさんは、もともと九州地方に一人で住まわれていましたが、大病して要介護4となり、息子さんが住む愛知県の施設に入居する事になりました。左片麻痺があり、高次脳機能障害もあります。感情をコントロールすることが難しく、大きな声を出したり、勝手に動き出して転倒・骨折された事もありました。とにかく我慢ができず、息子さんへ一日数十回電話をコールする為、半年ほど前より、息子さんの依頼で、主治医が興奮を抑える薬を多めに処方する様になりました。効果はてきめんで、おとなしくなった…というよりは日中も傾眠傾向で歩くことはできなくなり、ほぼ寝たきりのような状態となりました。

「加藤さん、相談良いですか?親父の事で少し悩んでいて…」
「どうされたんですか?」
「施設の職員さんが、こんなにされて可哀そうに…と言っているのを聞いてしまいました。僕がやっている事は、間違っているでしょうか?」
「こんなに…というのは、寝たきりになってしまって…という事ですか?」
「そうです。僕がもっと頑張らないといけなかったのですかね?」
「息子さんは、今もめちゃめちゃ頑張っていらっしゃるじゃないですか?毎晩、施設に寄って、差し入れして…施設の職員さんの一時的な感情を拾う必要はありませんよ。こうして、薬を使う事も主治医の先生といっぱい話し合って決めた事です。僕が息子さんの立場でも同じ依頼をしたと思います。息子さんは息子さんの人生があるので、そちらを大切にしてください。」
「有難うございました。ホント救われました。加藤さんがケアマネで良かったです。」

本人の希望を実現するのが、ケアプランであり、ケアマネジャーなら、上記のやりとりはケアマネ失格かもしれません。ただ、働き盛りの息子さんの携帯履歴が四六時中父親の着信で染まっていたら…と想像するだけで僕はゾッとします。
一方で、薬物拘束という言葉もあります。みなさんは、どう考えますか?
https://www.alzheimer.or.jp/?p=4806

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

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