介護予防・日常生活支援総合事業
高齢ご夫婦二人暮らしのお話です。
アルツハイマー型の認知症で要介護1のAさん(奥様)をご自宅で面倒をみているご主人からのご相談です。
ご主人「妻の介護保険の変更をお願いしたいです。要介護1では施設に入れません」
CM「介護保険の区分変更ですね。認知症が進んできましたかね?でも、Aさんは、週2回のデイサービス利用だけなので、要介護1で十分、介護保険サービスは賄えています。ここで、区分変更して、要介護2や要介護3になったとしても、デイサービスの利用料金が高くなるだけで、ケアマネジャーとしては、区分変更はお勧めしません。また、施設というのは、特別養護老人ホームの事をおっしゃっているか?と思いますが、今の今、入所を希望されている訳では無いと思われますし、本当に特別養護老人ホームでよろしいですか?」
Aさんは、火曜日と水曜日はデイサービスに行かれ、木曜日は近所の体操教室に通われています。月曜日と金曜日はご主人と喫茶店に行かれ、土日は自宅でゆっくり…ご主人と決まったライフサイクルがあります。
もし、特別養護老人ホームに入所してしまったら、コロナやインフルエンザが蔓延する今の時期は、面会も限定的ですし、外出、外泊もままなりません。Aさんご夫婦には、特別養護老人ホームの選択は、時期尚早ではないか?とケアマネジャーとしては感じています。
ただ、Aさんのご主人は、86歳。来年の3月で87歳になられます。さすがに、不安を感じられたのでしょう。2ヶ月に1回程度、定期的に利用しているショートステイもありますし、金銭的に困っている訳では無いので、今回は、要介護3でないと入る事ができない特別養護老人ホームではなく、近隣の有料老人ホームをご紹介させて頂きました。有料老人ホームは、要介護1でも入所可能ですし、ご紹介した施設は外出・外泊・面会が自由です。
ご主人「では、介護保険の区分変更する事は、今は必要ないですね…。いますぐ、施設に入れたいわけではありません。一応、ケアマネさんがお勧めする有料老人ホームの見学に行ってきます。」
CM「そうですね。見学して、どんな施設か?雰囲気を感じてきてください。ただ、いつまでもご自宅での二人暮らしが続く訳では無いと思います。Aさんが転んで骨折してしまったら…ご主人が病気になてしまったら…それこそ、ご主人が88歳になるまでに…等、施設入所をするきっかけやタイミングを決める事をお勧めします。是非、子供さんたちと話し合う機会を設けてください」
高齢者の方の施設入所の選択肢は、特別養護老人ホーム、老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、ケアハウスなどいくつかあります。当然、介護保険の認定が必要であったり、入所の条件であったり、費用の高低もあります。その方や家族の希望や経済状況をしっかり把握して、ケアマネジャーは水先案内する必要があると感じます。