エンパワメント

加藤武範

加藤武範

テーマ:高齢者 介護 問題

ナーシングホーム入居中のDさんにケアマネジャーとして定期訪問。来月の介護保険サービスの予定票を説明し、確認として署名をもらうのが目的で、居室に伺うと、ちょうど介護職員の方が、Dさんをベッドから車いすに全介助で移乗している所でした。立ち上がりも立位の維持も難しい様子で、女性職員にほぼ抱えてもらいながら車いすに乗り込みました。
「Dさん、こんにちわ」
「あら、久しぶり~」と思ったより元気な様子…
「Dさん、5月の予定持ってきたよ。よかったら、書類のここに名前書いてね!」
「どこ?ここ?」
「そうそう。ここ…」
そんなやりとりを見ていた介護職員の女性がこんな事を言われました。
「Dさん、名前書けるんですか?」

Dさんはナーシングホームに入居されてひと月半ほど経過しますが、入所時より点滴、寝たきりの状態で、とても名前が書けるなんて、思いもよらなかった…そんな口ぶりでした。
確かに、先月の訪問時の状態では考えられなかったかもしれませんが、入所前の生活やご本人の様子を知っているケアマネジャーにとっては、逆に書けなくなっていく方が、ちゃんと面倒見てもらっているのか?心配になってしまうものです。そういう意味では、この施設に入所して、状態が上向いてきたDさんは幸せです。良い施設に巡り合えたのかもしれません。
職員の方もナーシングホーム入居者だからといって、できない事を前提に考えるのではなく、できる事を探してもらいたい…可能性を広げる取り組みもしてもらいたいと感じました。こうしたご本人の力を引き出す取り組みを福祉の世界では「エンパワメント」と言います。

Dさん「ここの施設の人は、みんな親切で、元気にしてもらえたのよ…」
こういう声を聴くと、ケアマネとして、この施設をご提案して良かった!と心から思えるものです。
ナーシングホームの皆さん、ありがとうございます~これからも頼りにしているよ~

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

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