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加藤武範

医療と介護の架け橋になる、リハビリと介護支援の専門家

加藤武範(かとうたけのり) / ケアマネジャー

合同会社福寿想

コラム

将来 親の介護 お金 

2022年8月16日

テーマ:高齢者 介護 問題

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 介護休業法財産分与ケアマネジャー

行動制限が解除された久しぶりのお盆でしたが、皆様はどのように過ごされましたか?

3年ぶりに帰省された方もいっらしゃると思います。家族とどんな会話をされましたか?孫の近況報告、仕事の話、家族の昔話など、話題に尽きることは無いですよね…。



帰省した時、是非、家族で話し合ってもらいたいのは、「親の介護とお金」の話です。正直、親の立場からも子供の立場からも、この話を切り出すのは気が引けます。親の人生、子どもの人生、お互い干渉したくないものです。ただ、いつか誰かが必ず行わなければいけない大切な話です。そして、この話は親と子供の意見が一致することが少ないテーマです。ましてや、親に認知症の症状が出始めれば、まともに話をする事自体が不可能となります。
タイミングとしては、早ければ早い方が良いですし、もし、病気をしたら?認知症になったら?と仮にそうなったら?と話を切り出す方法もあるかもしれません。

みなさんの意見は、ざっくりこんな感じです。

【親の意見】
「子どもの世話になるつもりはない」「財産を知られて、子供に搾取されるのではないか?」「歩けなくなったら、施設に入るから良い」「お金がないから絶対施設に入らない!」「自分は認知症にならないから大丈夫。子供が親の心配する必要ない」「なんかあったら病院に入院させてもらう」

【子の意見】
「親の考えがあるだろうから、親に任せる」「親にお金を使うくらいなら、自分の子供に使う」「面倒見きれなくなったら、施設に入れる」「施設にいれるのは可哀そう」「将来の事なんて、考えたことがない」「遠方で面倒はみれない。市役所とかが何とかしてくれるのではないのか?」「親を風呂に入れるのは無理。ましてや下の世話なんて絶対できない」

互いの意見の方向性が一致すれば良いですが、特に一人暮らしの親の場合、子は施設に入れたいが、親は「住み慣れた家で独り生活する」と言って聞かない…というケースをよく聞きます。
介護保険サービスを利用すれば在宅独居生活を継続できることもありますし、もう施設入所しないと限界でしょ…私たちもいろいろなケースに遭遇しています。
決めるのは親(本人)であり、子供(身元保証人)です。施設に入るには月額20万円から10万円程度のお金は必要ですし、病院に入院したり、施設入所する為に身元保証人が必要な事もあります。

親が「子供に世話にならない!」と普段から頑張っていても、結局、病院に入院するときは、子供に連絡が入りますし、介護保険の調整や施設の申し込みなど子供が動かざるを得ない話ばかりです。子供がいない方は、兄弟姉妹や甥・姪という人が動く場合もあります。
逆に子の立場で、自分の子供がまだ未成人の場合、将来ある自分の子供の方が親より大事という意見が大半です。親の考えを聞き、「将来の生活をどう考えているのか?」「貯蓄は?年金はいくらもらってるか?」最低限の情報共有はしておいた方が良いと心に刻んでおいてください。

健康不安の無い方(親)こそ、ここはお互い肩肘を張らずに、親子で将来の介護の事を話し合う時間を設けて欲しいです。

ちなみに私は、そんな話をする前に父は膵臓がんで急逝し、母は認知症になっていました。母は本人の意向無くして老人ホームに入所しています。だからこそ、この記事を読んだ皆さんには私のような思いをして欲しくはないです。

この記事を書いたプロ

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加藤武範(合同会社福寿想)

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