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法令線を正しく理解する

木村哲治

木村哲治

テーマ:美容外科

美容医学的には法令線という呼び方は存在せず鼻唇溝(びしんこう)という名称がついています。線ではなく溝(みぞ)だと解釈しているわけですね。

ここでは「この治療が良い!」とか、そうしたよくある話はしません。あくまでちゃんと理解していただこうというのが目的です。

さて、鼻唇溝とは主に小鼻の横あたりから口の横まで連なる部分を指します。その形や程度はじつに様々で、細い線状の人もいれば、線というより段差と表現する方が適している人もいます。

まず知っておきたいのはこの部分には皮下に靭帯が存在するということと、顔面動脈という非常に重要な血管が鼻唇溝に沿うように存在しているということです。しかもそれは鼻に近くなるほど深い層から浅い層へと上がってきます。

にっこり笑ってみると鼻唇溝の上半分は頬部が高くなる分段差が大きくなります。そして下半分は皮膚が奥へ強く引き込まれるのが分かります。いわゆるえくぼみたいな感じですね。つまり表情筋と皮膚が何らかの形で繋がっていることを意味します。この繋いでいるものが靭帯というスジみたいなものです。

想像してみましょう。
川の真ん中に柱を立てます。すると水は柱の両側へ流れを変えます。つまり抵抗の低い方に流れるということです。これと同じ理屈が鼻唇溝でも言えます。

なので、ヒアルロン酸注射で簡単に埋められると思うのは間違いですし、実際いくら注入しても肝心の部分が膨らんで来ないという経験をされたことのある方もおられると思います。

「いやいや、それは真皮層にたくさん注入すれば大丈夫!」とかそんな単純な話ではありません。そうなると今度は動脈閉塞などのリスクの発生確率が上がりますし。

ね?
なかなか奥の深いものだということがお分かりいただけと思います。

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木村哲治
専門家

木村哲治(外科医)

カメイクリニック富山院

患者さんご自身の血小板と線維芽細胞成長因子を用いたPRPF治療は適応範囲も広く且つ自然な仕上がりとなるため積極的に行なっています。https://www.prpf.jp

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