傷跡のケアに
皮下脂肪を減らす代表的な手段としては、①脂肪吸引、②脂肪溶解注射、③冷却脂肪分解、④高周波や超音波治療機器などが挙げられます。
すべてに共通して言えることは「一度に広範囲の(多量の)治療は望ましくない」ということです。
①は現在でも最も確実で有効な手段ですが、広範囲になるほど相応のリスクが伴うことを理解しなければいけません。施術する医療機関側にも施術を受ける患者さん側にもしっかりとした管理体制が必要です。
②〜④は破壊された脂肪が自然に吸収、体外へ排出するのを待つ方法です。①のように物理的に体外へ除去する方法ではありません。
さて、ここからは私の個人的な推論であり、学術的な裏付けはないことをあらかじめおことわりしておきます。
破壊された(死滅した)細胞は言い換えれば壊死した組織です。
そして、これらが分解・吸収される過程には大なり小なり炎症を伴います。多量の壊死組織をかかえることは、それ自体が望ましいことではないと思いますし、そこに炎症を伴うのであればなおさらです。
さらに、壊死組織のように血流のない組織は細菌の感染に対して弱いため、②〜④のように閉鎖された環境の中でもし何らかのきっかけで細菌感染を起こしてしまうと非常に危険です。
何もこうした治療はすべて危険だということではありません。
そこは誤解のないようお願いいたします。ただ、気軽に受けることができるとはいえ、効果のある治療であればこそ適切な限度を守ることも大切なことだと思うのです。