12.バナー広告vs検索連動型広告~使い分けの基準は「顧客の温度感」
はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。
前回(第72回)は、他社との相見積もりに勝ち抜くためのプレゼン技術についてお話ししました。安売りで対抗するのではなく、「価格差の理由(他社が省いているリスク)」と「選定比較表」を提示することで、お客様に「高くてもあなたにお願いしたい」と納得していただく方法をお伝えしましたね。
提案内容にも納得してもらい、手応えは抜群。いよいよ「ご契約」という最終局面です。
しかし、ここで商談の最後に最も多く発生する「悪魔の言葉」があります。
それが、お客様からの「よく分かりました。一度持ち帰って『検討します』」という一言です。
「あ、はい、ではご検討よろしくお願いします」とそのまま帰してしまい、その後いくら連絡しても「まだ検討中でして…」と流れて立ち消えになってしまった苦い経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
今回は、強引な売り込みを一切せず、お客様の背中を優しく押してその場で「決断」へと導くクロージングの技術をお伝えします。
「検討します」の裏にある本音とは?
お客様が「検討します」と言うとき、本当に持ち帰って熟考したいケースはごく稀です。多くの場合、以下の3つの心理が隠れています。
- 断るのが気まずいので、その場をやり過ごしたい(営業拒絶)
- 話は魅力的だが、最後の最後で「失敗したくない」と不安(決断恐怖)
- 次に何をすればいいのか、手続きのハードルが高い(行動躊躇)
つまり、「検討します」と言われたときに営業マンがやるべきことは、売り込むことではなく、お客様の頭の中にある「最後の小さな不安や面倒くささ」をその場で一緒に解きほぐしてあげることなのです。
決断を優しく促す「3つのクロージング言葉」
1.「〇〇様が一番懸念されている点はどこですか?」と優しく
「検討します」と言われたら、まずは笑顔で受け止めつつ、こう問いかけてみてください。
「承知いたしました。ぜひじっくりご検討いただきたいのですが、今後のご参考に、本日のお話の中で『ここが少し引っかかるな』と思われる点や、懸念されている部分はどこでしょうか?」
理由をストレートに尋ねることで、お客様の本音(「価格が…」「スケジュールの調整が…」など)が引き出せます。本音さえ分かれば、「価格の点でしたら、分割のお支払いや〇〇プランもございますよ」とその場で解決策を提示できます。
2.「二者択一(AプランかBプランか)」で選択肢を絞る
「やるか、やらないか(契約するか、しないか)」という大きな決断を迫られると、人間は心理的負担から「保留」を選びがちです。
そこで、「やる」ことを前提とした上で、「Aの〇〇プランと、Bの〇〇プランでしたら、どちらが〇〇様のお仕事(ライフスタイル)に合いそうでしょうか?」と小さな二者択一を投げかけます。意識が「契約の有無」から「どちらのプランが最適か」へとシフトするため、お客様はストレスなく自分の希望を口にしやすくなります。
3.「いつからスタートしたいか」という未来から逆算する
契約を結ぶこと自体を目的にせず、お客様が手に入れたい「未来の時期」から逆算します。
「〇〇様、もしこのプロジェクトを始める場合、いつまでに成果(完成)を出したいとお考えですか?」
お客様が「うーん、10月の秋口までには完成させたいね」と答えたら、すかさず「そうしますと、準備や資材の手配に約2ヶ月かかりますので、本日か今週中にスタートしないと10月に間に合わなくなってしまいます。ご希望の時期に間に合わせるために、今できる手続きだけ進めておきませんか?」と提案します。「今動くべき明確な理由」を提示して差し上げるのです。
最後は「もし自分だったら」という人肌感で背中を押す
クロージングの最後の最後で必要なのは、営業テクニックではなく、あなたの「人肌感(本気度)」です。
「〇〇様、私たちが全社を挙げて責任を持ってサポートいたします。絶対に後悔はさせません。私に任せていただけませんか?」
目を見て、誠実な熱量とともにこの一言を伝えられるかどうか。最後にお客様が判を押す決め手は、提案書の美しさではなく、「この人の情熱と覚悟を信じてみたい」という人間への信頼なのです。
今回の実践ポイント
- 「検討します」をそのまま鵜呑みにせず、優しく懸念点を聞き出す
- 「やるかやらないか」ではなく「どちらのプランがいいか」で選択肢を提示する
- 最後は「絶対に後悔させない」という覚悟(人肌感)を言葉にして伝える
クロージングとは、自分の売上のために説得する行為ではありません。悩んでいるお客様の背中を優しく押し、理想の未来へ連れて行ってあげる「最後の親切」です。
自信を持って、堂々とお客様の背中を押してあげてください。


