遠隔読影支援サービスとV遠隔画像診断支援サービスとの共存
地域医療における医師不足の解消を目的として導入された「地域枠制度」は、多くの診療科で一定の成果を上げています。しかし、放射線診断専門医の確保という観点では、その効果は限定的であるとの指摘もあります。
地域枠制度は、卒業後に一定期間、指定地域や指定医療機関で勤務することを条件に修学資金を貸与する仕組みです。地域の医師数は増加したものの、放射線科を志望する医師自体が少なく、地域枠医師が放射線診断専門医を選択する割合は必ずしも高くありません。また、地域医療では総合診療、内科、救急などのニーズが優先されるため、放射線診断専門医の配置は後回しになりやすい現状があります。
一方で、CTやMRIの普及により画像検査件数は年々増加しており、画像診断の需要は拡大しています。地域病院では常勤の放射線診断専門医を確保できず、他科医師が読影を担うケースや、読影結果の報告が遅れるケースも少なくありません。こうした状況では、地域枠制度だけで放射線診断専門医不足を解決することは難しいと言えるでしょう。
そのため近年は、大学病院や基幹病院の専門医が地域病院を支援する遠隔画像診断の重要性が高まっています。2026年度診療報酬改定では、画像診断管理加算2において一定条件下で保険医療機関間の一部委託が認められ、専門医を地域全体で活用する仕組みが制度上も整備されました。
今後は、地域枠制度による医師育成に加え、遠隔画像診断や複数医療機関による専門医の共同利用を組み合わせることが重要です。放射線診断専門医を「各病院が個別に確保する時代」から、「地域全体で共有し活用する時代」へと発想を転換することが、持続可能な画像診断体制の構築につながると考えられます。


