年始の目標を立てた人のうち80%が2月半ばまでに脱落している
「問題解決における対話の基本 その②」は「創発(エマージング)」です。
「上司は部下の問題解決者である」というマネジメントの考えを学び、
問題解決の対話技術(質問技術)を学び真面目に取り組んでいる人が陥るのが、
「上司が答えを持っていなくてはいけない」
「部下から考えを引き出さなくてはならない」
などの固定的な考えです。
このような考えに縛られている人は、
この「創発(エマージング)」という概念を勉強して欲しいと思います。
現代のビジネス環境では、「今までにない挑戦」を求められることが多いかと思います。
そうすると、上司にとっても初体験で答えのない事案が生じます。
その時は、答えを「示す」こともできず、「引き出す」こともできないのではないでしょうか?
「問題解決」の目的は、実践する人が「やりたい」し、「できそう」と感じている状態を作ることです。
上司が部下(実践者)とMTGをすることで、
やるべきことが見つかり、やり方が発見できると、
実践者は元気になっていきます。
目的や意義をしっかり共有できていないケース、
「やりたい」だけで「どうやったら良いか」イメージが湧いていないケースが
問題解決MTGが機能していないケースということになります。
答えを持っていない上司が「どうしたい?」と部下に質問をしても、
上司に答えがないことを部下はすぐに見抜いてしまいますし、
質問を受けても真剣に考えたいと思えません。
また、答えのある上司が的確な指示を示し続けると、
部下の考える機会が奪われ、指示をこなすだけになってしまいます。
往々にして、「目的」や「やり方」が腹落ちしていないので、
そこそこの成果で頭打ちになってしまいます。
そのような場合に必要になるのが、
「現場に精通している部下」「過去の常識にとらわれない部下」と
「知識や見識のある上司」「客観的に状況を見れる上司」の協働作業で
「こうすれば成功させられそうだ」という成功イメージを見つけるアプローチです。
管理職の答えはあくまでも「仮説」として扱い、
現場で検証し、部下の意見も交えながら「答えを探す、生み出す」ことがポイントです。
言葉を定義することで、物事の意味合いが明確になったり、違いが区別できるようになるものです。
よく「ティーチング」と「コーチング」が対比して使われますが、
その両者を駆使して、新しい解決策を生み出すアプローチが「エマージング」になります。
(コーチングも広義にはエマージングを含みますが、「引き出す」という概念が強く、
「エマージング」の要素を認識できていない人も多い)
エマージング(Emerging)とは創発すること、
「Emergent(創発)」とは、
個と個の意見の足し算ではなく、それ以上のアイデアが生み出されること。
予定された結論ではなく、想定を超えるアイデアが生み出されること。
です。
横文字の新しい言葉を目にすると難しく感じる人がいるかもしれませんが、
誰もが日常で経験をしていることです。
ただ、言葉をつけることで認識しやすくなりますので、
「エマージング」という用語を使ってみて欲しいと思います。
また、「エマージング・創発・生み出すコツ」を一つ紹介すると、ホワイトボードの活用です。
お互いの考えをホワイトボードに書き出しながら、
つなげたり、分類をしたり、分解をしたりしながら、整理をしていくと、
新しいアイデアが生まれやすくなります。
人と課題の分離にも効果的ですし、ホワイトボードの活用は問題解決に大いに役立ちます。
是非、トライをしてみて頂きたいと思います。
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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
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著書:『壁をうち破る方法』はこちら
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