一生使える技術を身につけよう⑥ 〜 相手の意図が見えるか(2/2)
新年あけましておめでとうございます。
フレッシュな気持ちで仕事を開始されていることと思います。
どのような1年にしたいか、それぞれの思いでスタートされていると思いますが、
人材の育成がテーマになってきている人も多いかと思います。
そこで、今回は育成の出発点をそうすれば良いか、一緒に考えてみたいと思います。
■深める楽しさ
大人の育成と子供の育成は少し条件が違いますが、通じる部分もありますので
「子供の育成」の話を少し紹介してみたいと思います。
京都大学の後輩で、小中学生向けの教育ベンチャーに挑戦している人がいます。
知識詰め込み型の教育ではなく、探究心を養う教育を提供し、
新たな価値を生み出していける人間を育てたいという目論見です。
その教育方法を一つあげてみます。 漢字を学ばせる際に、
「街中に出歩いて最も難しい漢字を発見してくる」ゲームをします。
そして、発見してきた漢字が、どういう意味なのか、どういう文脈で使われているのかを調べます。
その上で、「身近にあるものを自分で好きな漢字にしてみる」ワークをしたりすると、
漢字ドリルをするよりも、漢字の成り立ちや構造に興味を持ち、深く理解できるということです。
そうやって探求する楽しさを感じられるようになってきたら、
自分の関心のあることを自由研究させる段階に入ります。
ある少年は、「武将の死に様」が好きで、戦国武将の死に様を研究していたり、
ある少女は「数学の公式」が好きで、どの公式が最も美しいか探求しているということです。
好きなことを徹底的に深めることは本来楽しいことです。
皆さんも子供のころ、昆虫が好きだったり、ファッションが好きだったり、
何かに深くはまった経験はないでしょうか?
しかし、その好きなことだけを追求して、社会で生きていける人は稀です。
大学で好きな研究をするためには、受験を通過しないといけなかったり、
職場で自由に仕事をするためには、下積みが必要だったりします。
その際により大事になるのが、「好きなことを深める」力ではなく、
「やっていることを好きになる」力です。
組織においては、それぞれが「やりたい仕事」ばかりを遂行していても成り立ちません。
「やりたい仕事」と「やるべき仕事」は必ずしも一致しないからです。
つまり、「(元々やりたい仕事ではなかったが)やるべき仕事」をいかに深く楽しく遂行できるか、
そういう力を高めることが組織においては大事だということです。
(つづく)
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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
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著書:『壁をうち破る方法』はこちら
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