ダブル・ループ(専門性の高め方)
最近の営業プロジェクトで次のような事例もありました。
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飲食チェーンに食品を販売している食品メーカーの営業担当から
「○○店で採用になりました。店長が入れてくれるとのことです」
という報告がありました。
しかし、1ヶ月経っても出荷がありません。
マネジャーが「どうなった?」と聞くと、
担当者は「こちらからせっつくと嫌がられるので、間を空けます」との回答でした。
更にその1ヶ月後に飲食店を訪問した担当者は
その店長から「エリアマネジャーが最終判断をしますので、
エリアマネジャーの所へ行ってもらえますか?」と言われました。
その結果報告の場において、担当者は悔しそうにしておらず(平然としている)
自分の営業の改善点を考えようとしていないという状況でした。
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この事例に関して、どのような問題解決が必要でしょうか?
一番単純な解決策は、「次はエリアマネジャーに訪問する」になります。
しかし、これは「Canonを『キヤノン』と書く」という対策と同じ水準です。
(前回のコラム参照)
この事象から何を学び、成長できるかを考えないと同じ失敗が繰り返されそうです。
(この事例の場合は、採用と思っていたのに遅延が発生しているという点が問題です)
では、何が学べるでしょうか?
目に見えない問題としては何がありそうでしょうか?
この事例から推察される問題は
「エリアマネジャーの所へ行ってもらえますか?」と店長が他人事になっていることから、
《店長は商品を使いたいと思っていないのではないか》
更には、担当者がこの問題を問題として扱っていないことから、
《営業担当者は商品の価値を十分にPRできていないし、
顧客に対するピジショニングが分かっていないのではないか》
ということが考えられます。
担当者が「せっつくと嫌がられる」と考えていることからもその可能性は大きく、
営業的には、「どうすればしっかり価値を感じてもらえるのか?」
「どうすれば相談相手・パートナーというポジションにつけるのか?」
といった点を深掘りし、具体的な解決策を見つける必要がありそうです。
マネジメント的にも、
《採用になったといっても、その確度を評価して、リスクに備えるべき》
という教訓が得られると思います。
確度の高い採用と、確度の低い採用はあってしかるべきですが、
その状態をしっかり捉え、せっかくの好機を確実にものにしていくために必要なマネジメントです。
しかし、この点を深掘りすると、その意味合いを認識できていない担当者は
「自分の報告を信用してもらえていない」と思ったり、
「今回のケースは特別だ(次からは大丈夫だ)」と自分を正当化してしまいます。
そして、やはり、問題を再発させてしまうのです。
このような目に見えない部分の問題解決は、
担当者が認識できていないこともあり、
しっかり対話をしなければできません。
管理職と担当者による「日々の問題解決MTG」が必要なのはこのような点です。
営業の結果確認や情報共有だけであれば、日報でも十分できます。
本当に解決しなければいけない問題をしっかり見抜き、
ポイントを絞って日々のMTGができるようになるとMTGの効率が上がり、
担当者の腕が上がり、成果も出ますので、明るい雰囲気が作れます。
一方、結果確認に終始し、担当者が価値を感じる問題解決が行われないと、
MTGはストレスになり、長続きしないものです。
そういう意味で、「(目に見えない部分の)問題解決の仕方」はとても大切なのです。
(つづく)
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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ: info@penetra.jp
著書:『壁をうち破る方法』はこちら
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