振り返りの心技体:技
外部コンサルタントに営業のイロハを教わって、
営業マニュアルを作成した。
しかし、全く使われずキャビネットにしまいこまれて埃をかぶっている。
そこまでひどい状況でなくとも
最初に教わった人は辛うじて使っているが、
後から入ってきた人間には継承されず、
マニュアルの存在は忘れ去らている。
ということは無いでしょうか?
今回は、そんな無駄な作業にならないように
ルールを組織に浸透させるコツを一つ共有したいと思います。
単純な事例で考えてみましょう。
少年野球チームの監督に就任しました。
しかし、そのチームでは内野ゴロを打ったバッターが一塁まで全力で走りません。
アウトになると諦めて走らないのです。
そこで、走らなかった選手を見つけるとこっぴどく叱り走らそうとするのですが、
叱らなくなるとまたやめてしまいます。
この場合、必要なのは、
「走らなくてチャンスを逃した物語」や
「走って勝利を引き寄せた物語」です。
全力で走る選手がいれば、
守備の選手がボールの処理にもたつき、セーフになる事例が出てきます。
その事例が出た時に、「走っていてよかった」という感情が起きます。
さらには、試合の振り返りの場面などで、改めて評価したり、印象に残します。
また、チャンスを逃して試合に負けて泣いている選手の映像を見せて
感情を動かす方法もあるでしょう。
多くの野球選手は
「守備がエラーをするから全力疾走をした方が良い」という事を知っています。
しかし、行動が変わらないのは感情が動いていないからなのです。
理屈を説明するだけでなく、実体験や疑似体験をさせないといけません。
身近な事例を使って
「ああはなりたくない」「こうなりたい」と感情を動かすこと
が 最大のポイントだという事です。
単純な話です。
しかし、ビジネスの現場ではこの「物語の共有」が忘れ去られて
多くのマニュアルには理屈やルールしか書かれていません。
明るく挨拶をする
電話の折り返しをすぐにする
帰社前に翌日の準備をして帰る
会議には議題を用意する
「やってもやらなくても結果は変わらないかもしれない。
しかし、やっていないとチャンスを手にすることができない」
という事象は山ほどあります。
組織内で形骸化したルールやマニュアルが存在するようであれば、
今一度、「そのルールによって助けられた話」や
「そのルールがない事で起きていた問題」を共有し、
「ルールを大事にしよう」という気持ちを新たにしてみては如何でしょうか?
ルールは物語とセットになった時、継承されていきます。