平成28(2016)年の国際結婚件数 メルマガ第166回、2018.4.1発行
出入国在留管理庁の令和3年度の在留外国人の調査
(今回は、在留資格の手続きの話はありませんので、ご承知ください)
第216回
2022.9.1発行
<2002年(平成14年)10月創刊>
行政書士の折本徹と申します。8月は、
中盤までは暑かったですが、それ以降は暑さが和らぎました。
7月に続き、ともかく暑い!という地域と豪雨被害が出でいる地域もありました。
新型コロナウィルス感染症の新規の感染者は減少傾向ですが、大幅に減らないです。
お見舞いを申し上げるとともに、なにとぞ無事にお過ごししてください。
今年も、時期に関係なく(古くても)、新聞・雑誌・書籍に掲載された、
外国人にまつわる内容で、興味深い記事を紹介・簡単なコメントや、
このメルマガは、平成14年(2002年)の10月から発行しているので、
過去と現在は、どのように違ってきているのか、の視点で書きたい、
とも考えています。
{感染拡大防止に伴う情報}
2022.9.1 から 緩和されました。
1日の入国者の受け入れ上限が5万人、3回接種だと陰性証明が不要、
短期滞在ビザの観光目的で、ツアーは維持するも添乗員不要、
らしいです。
外国人生活支援ポータルサイト
http://www.moj.go.jp/isa/support/portal/index.html
水際対策に係る措置
https://www.moj.go.jp/isa/hisho06_00099.html
新型コロナウィルス感染症で困っている人向け
https://www.moj.go.jp/isa/content/001322500.pdf
入国制限について
https://www.moj.go.jp/isa/content/001347329.pdf
水際対策での新規入国者国際的な人の往来再開による新規入国のためのビザ申請
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page22_003381.html(外務省)
新型コロナウィルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page4_005130.html
{お知らせ}
・現在、動画配信のテストをしています。
国際結婚の手続きの話。
国際結婚を考えている人、国際結婚をしている人の知的好奇心を満たします。
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/5084001
・無料小冊子を作成しました。
「小さな会社の外国人の在留資格「技術・人文知識・国際業務」」
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/5115967/
過去、有料レポートや無料レポートは、30以上作成しましたが、
書籍に近いつくりになっている、小冊子を初めて作成しました。
尚、Youtube 動画は無料で見ることができますし、
小冊子については、会社の経営者で希望される人は、無料で進呈しています。
本題です。
既に、報道されていますので、ご存じの人も多いと思います。
出入国在留管理庁では、令和3年度の在留外国人の調査を行いました。
事前に伝えておきますが、
今回は在留資格の手続きの話はありませんので、ご承知ください。
報道では、「日本語の苦手な外国人」と「日本語に不自由しない外国人」では、
生活の満足度や孤独感に差がある、
日本語の修得状況によって感じるものが違う、
という内容を強調しているように思えました。
調査ですが、生活上の問題点を把握して、
共生施策の企画・立案に資することが目的で、
18歳以上の中長期在留者及び特別永住者(直近の上陸日から1年以上経過)
の中から無作為に計40,000人を抽出し、
8言語対応のウェブ調査をしたとのことです。
有効回答数は、7,982件(回答率20.8%)です。
このメルマガでは、全部の項目の紹介はできないので、一部紹介します。
まず、どういう人が、回答したか?です。
中国(2,300人)、ベトナム(1,313人)、ブラジル(914人)、韓国(807人)、
フィリピン(562人)、台湾(265人)、
以下米国、ネパール、インドネシア、タイと続きます。
上位の国は、在留外国人統計の国とほとんど同じです。
ちなみに、在留外国人統計では、
中国、ベトナム、韓国、フィリピン、ブラジル、
以下、ネパール、インドネシア、米国、台湾、タイと続きます。
次に、在留資格別です。
永住者(2,311人)、技術・人文知識・国際業務(1,150人)、技能実習(965人)
留学(848人)、定住者(587人)、日本人の配偶者等(534人)、
以下、
家族滞在、特別永住者、特定活動、永住者の配偶者等と続きます。
外国人統計とほとんど同じではありますが、少し順位が違う程度。
ちなみに、永住者、技能実習、特別永住者、技術・人文知識・国際業務、
留学、定住者、家族滞在、日本人の配偶者等、
特定活動、永住者の配偶者等と続きます。
生活環境全般の満足度です。
・満足している 47%
・どちらかと言えば満足している 40.8%
・どちらかと言えば満足していない 6.3%
・満足していない 2.2%
・わからない 3.7%
約87%が「満足・どちかといえば満足」なので、
日本人としては、うれしい気持ちはあります。
回答した国籍・地域別や在留資格別は、
人数が増えても大幅に入れ替わることはないように思います。
しかし、「満足・どちらかと言えば満足」については、
回答者が増えたらどうなってしまうのかな?がありますね。
日本への好感度が高い人たちが回答しているような・・・、
と思うのは、うがちすぎでしょうか。
日本語能力別(話す・聞く)の生活満足度
満足・どちらかと言えば満足の合計になります。
日本語修得状況で7つに分けています。
・幅広い話題について自由に会話ができる 92.1%
・効果的に言葉を使うことができる 90.5%
・長い会話に参加できる 89.8%
・身近な話題ついての会話ができる 87.5%
・日常生活に困らない程度に会話ができる 87.2%
・基本的な挨拶の会話はできる 82.6%
・日本語の会話はほとんどできない 76.9%
です。
日本語の修得が高いほど、満足感が高いという結果になりました。
「日本語の会話がほとんどできない」
と回答した人76.9%の内訳は、
満足 48%
どちらかと言えば満足 28.9%
です。
日本語が話せなくとも良い環境に住んでいて、
満足・どちらと言えば満足
と感じている人もいるのかもしれません。
一方で、
「日本語の会話はほとんどできない」と回答した人で、
・ 孤独感をしばしば感じる・常にある 14.8%
・ときどきある 11.3%
・たまにある 32.8%
なので、心が折れてしまいそうな人もいる、こともわかります。
では、日本語を修得するうえでの学習についての困りごとの項目ですが、
・日本語学校・語学学校等の利用・受講料金が高い 15%
・無料の日本語教室が近くにない 12.1%
・都合の良い時間帯に利用できる日本語教室・語学学校等がない 11.8%
以下
・学んだ日本語を活かせる機会がない、
・日本語を学べる場所・サービスに関する情報が少ない
と続きます。
日本語学校などの受講料金は、留学生にとっては高いかもしれません。
それ以外の在留資格を得ている外国人にとっても、
勤務先や政府や地方自治体から学習助成金などがもらえるのであればともかく、
もらえないのであれば、お給料に占める割合からすると高いのかもしれません。
また、ボランティアの日本語教室を指しているのだと思うのですが、
近くにない・利用しにくい・サービスに関する情報が少ない、については、
東京23区内に住んでいると意外な感じがしますが、
それ以外の市区町村だとボランティアの日本語教室が少ないのかもしれません。
日本語の修得は、生活や待遇など色々な面で肝になる感じがします。
私もボランティアの日本語学習のサポート経験がありますが、
少しでも役立ちたいな、と思っています。
生活オリエンテーション(日本で生活にするうえで必要となる情報)の受講の有無
ですが、
技能実習は、全体の75%なので高いですね。
留学は44.3%が有り、40.7%が無い、なので受け入れた教育機関によって違うの
でしょう。
定住者の場合は、39.7%有り、41.1%が無い、なので意外に高い感じがしますが、
日系人(定住者の在留資格を得ている人が多い)を雇っている会社が
実施しているのではないかな、と思います。
日本での生活に困らないために知っておいたほうが良いと思う情報
上位5項目は
税金、年金・社会保険、医療・福祉、労働・雇用、住民登録
となりました。
反省点として、私はこれらの項目について詳しくないので、
税理士や社会保険労務士などの専門家に繋げる窓口になっていないことです。
少なくとも、基礎なことが回答できる日常生活知識を持った方が良いな、と思いました。
「在留資格の手続きだけ、答えていれさえすればよい」
との考えは、改めないといけないですね。行政書士としての私自身の反省点です。
ここからは、いくつかの項目を紹介します。
妊娠出産の困りごと
妊娠・出産費用が高い、
学校や仕事が続けられるか不安、
悩みが相談できるところや人がいない、
などが上位に入っています。
子供の就学状況
6-15歳では、日本の小・中・高校に通学している子どもは、全体の76.6%
通っていない(上記以外の学校・インターナショナルスクールなどを除く)は、2.8%
→全く通っていない
16-18歳では、日本の小・中・高校・大学に通学している子どもは、全体の73.6%
通っていない(上記以外の学校・インターナショナルスクールなどを除く)は、6.6%
→全く通っていない
(全く)通っていない、は全体の割合からすると小さいですが、
在留外国人全体で換算すると、それなりの数になると推測できるので、
外国人児童の不登校問題がクローズアップされるのでしょうね。
仕事の困りごと
給料が低い、
採用・配属・昇進面で日本人に比べて不当に扱われている、
休みがとりにくい
が上位に入っています。
給料が低い、ですが、受け入れている会社の給料そのものが低いのかもしれません。
病院で診察等を受ける際の困りごと
どの病院に行けばよいかわからなかった、
病院で病状を正確に伝えられなかった、
受付でうまく話せなかった
が上位に入っています。
「言語別の痛みの伝え方の表現」みたいな、
擬声語、擬態語での日本語の資料があるようなので、
(例えば、「頭がズキズキする」と書かれた日本語とイラストに、言語別に翻訳した資料)
入手して渡したほうが良いのかもしれません。
住居探しの困りごと
家賃や契約に係るお金が高かった、
国籍等を理由に入居を断られた、
保証人が見つからなかった
が上位に入っています
差別の経験・要望
家をさがす、
仕事をしているとき、
仕事を探すとき、
に差別を感じるが上位項目です。
要望については、
外国人と日本人との交流機会を増やす、
学校で日本人に対して外国人について正確な知識を伝えてほしい、
外国人が差別を受けた際の相談体制を充実させる、
が上位項目です。
支援に関して望むことは、
どこに相談すればよいか、
丁寧に聞いてくれる、
SNSや電話での対応してくれる、
が上位項目に入っています。
こうしてみると、日本人と共通していることって、結構ある感じがします。
言葉がうまく伝えられない、コミュニケーションが上手に取れない、
というのは、
外国人・日本人の間だけではなく、
日本人同士の世代間や職業別、性別など
によってもある感じがします。
相談する場所も
「どこに相談したらよいのか、わからない」
「丁寧に相談に応じてもらえるのか?」
というのも、共通な感じがしますよね。
さてさて、読者の皆様はどのように感じたでしょうか。
今回は、出入国在留管理庁の令和3年度の在留外国人の調査、の話でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、19年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。
過去のメルマガが読めます(85号から)
https://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/?jid=1300156
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よりできます。
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